まだ「井川伝説」が何のことか良くわからない人もいると思うので、まとめサイトに掲載されているものの中から、簡単にいくつかの「伝説」を見ておくなりね。
・プレステ2はネット予約で発売日に購入。
・「犬夜叉」と「名探偵コナン」は欠かさずに見る。
・初めての球宴で一人ぼっちで壁当て。
・山口もえから電話がかかってくるが「いえ、知りません」と電話を切った。
・SPA!でサッカー(五輪代表について)語る。
・野球を始めたきっかけは、中学にサッカー部がないため仕方なく。
・甲子園近くのゲーム屋のパワプロのポスターには「井川様お買いあげ」の文字が。
・小学校の修学旅行前に買った水牛の皮で作られた財布を今でも愛用。
と、まあ信憑性のほどはともかく、本筋の野球のこと以外に語るべき話題の多い選手であることは分かると思うなり。これだけキャラクターの部分に焦点を当てて、野球ファン以外からも愛される選手は、そうはいないなりよね。
さて、そんな「井川伝説」が海を渡ってしまったのは8月上旬のこと。巨人のイ・スンヨプ外野手が日韓通算400号のメモリアル本塁打を放ったときに、投げていたのが井川投手だったことで、韓国でも井川投手に関心の目が向けられたなりよ。そこで何を間違ったのか、韓国のネットユーザーが井川投手のキャリアそのものではなく、「井川伝説」に着目してしまったなりね。次第に盛り上がってきたところを朝鮮日報が記事にしたため、日本でも韓国で「井川伝説」が話題になっていることが判明。これはやや悪意の込められた内容だったなりが、どのような内容だったのか、一部を抜粋してみると。
「『目標にしている選手はブラジルのロナウジーニョです』はあ? なんでまたサッカー選手のロナウジーニョ?」
「井川はテレビゲームとマンガをこよなく愛していることでも有名だ。選手たちの実名が登場する野球ゲームに自分の名前を出すためにプロ野球選手になったと言うほど」
「テレビアニメ『名探偵コナン』を見るために球団の忘年会を欠席した」
「自分が好きな主人公役の声優が結婚したのにショックを受けてコンディションの調整に失敗し、2軍落ちしたことも」
内容はまとめサイト「井川慶伝説」をリライトしたもののようなりが、朝鮮日報の紙面を飾ったことで、韓国内には井川投手の人物像がオモシロおかしく伝わってしまったなりね。ネット上のジョークならまだ笑って済ませたものを、海外の公的な媒体が報じたことはさすがに阪神や井川投手自身も見過ごすことができなかったようで、17日付けの東京スポーツに厳しい口調のコメントを寄せているなりよ。
井川投手「(呆れかえった様子で)イ・スンヨプに打たれたからでしょうね。あることないこと書いてるんでしょ。別にいいですよ」
球団幹部「取材もせずにそういうことを書かれては困る。今回のは冗談ぽい内容で悪意はなく、目くじらを立てるようなことではないかもしれない。でも本人の名誉にかかわる。今度やったら抗議する。2度目はアウトだ」
今回の朝鮮日報の記事には抗議をしないという「大人の対応」を見せた球団ではあるなりが、怒りの度合いはこの短いコメントからもヒシヒシと伝わってくるなりよね。まとめサイトにある「伝説」には本当のことも書かれているなりが、噂に尾ひれが付いたウソの「伝説」もあるようなので、そのあたりは見極めが必要になりそうなりよ。
ただ、この一件。球団や井川投手が望まなくとも、新たな「井川伝説」のひとつとして刻まれることになりそうなり……。