昨年11月に電撃的に発表されたスーパーアグリ。しかし、国際自動車連盟(FIA)への保証金が未納のため、翌月に発表された参戦リストに記載されなかったという事態も発生していたそうなのだ。この保証金の額は48億円とも56億円ともいわれており、そのほかにもマシンの制作費や工場の買収、人件費、遠征費など、合計で100億円以上にもなるのだそう。現在のスポンサーはホンダ、ブリヂストン、ENEOS、ANA、モバイルキャスト、ライフカード、SEIKO、NGK、タカタ、Berik、「ジャンクSPORTS」(フジテレビ)のみ。とても100億円以上をカバーできるとは思えず、スーパーアグリがどうやって資金を捻出しているのか、その財政は謎だったのだ。
GrandPrix.comは「Aguri and Yuji Ide」と題し、何かと批判されている井出有治選手の去就に対して、スーパーアグリがこだわる“純国産”のイメージを維持するならドライバーは井出選手のほうがよいだろう、とする記事を掲載。そのなかで、スーパーアグリの資金が電通から出ていると紹介している。うーん、電通なら100億円以上の資金源として納得なのだ。
電通もむやみやたらと資金を出しているわけでなく、F1は成功すればかなりの収入が得られるのだそう。ちなみに、フェラーリチームの年間収入は1700億円だとか。ホンダが全面支援を約束しているため、今後スーパーアグリは大成長する可能性がある。これは、電通にとって願ってもないおいしいビジネスチャンスだったのだ。
純粋なF1としての収入以外にも、国民的な人気がある佐藤琢磨選手や鈴木亜久里代表など、スーパーアグリを使った広告を一手に引き受けることができる。いやあ、ホント抜け目ないというか……。
冬季五輪のフィギュアスケートなどでも批判されていた電通。独禁法に引っかかりそうなほど日本の広告を牛耳っている企業のチームだと思うと、スーパーアグリを応援する気がちょっと失せてしまいそうなのだ。