日本で「トゥール・ダルジャン」がもてはやされたのは、フランスで最も権威があるレストランのガイド本「ミシュラン」で三つ星を獲得した店だったから。本場の三つ星の味が日本で味わえることに加え、「高いものこそ良いものだ」というバブルの機運にも乗り、予約でいっぱいの店の代表格となったなりよ。ランチでもワイン抜きでン万円するほどの店なりからね。よく、商店街の福引きの賞品として、「トゥール・ダルジャンのお食事券」が出ているのも見かけたほど、庶民の憧れの的だったなり(笑)。
ちなみにコ○助が小学校の頃、親同士の会話の中で「トゥール・ダルジャン」の名前を何度聞いたことか。「あのトゥール・ダルジャンでランチを食べたわよ」「ほんとに? すごーい!」というやり取りが、日本全国で繰り広げられていたのは間違いないなり(たぶん)。
さて、そんな「トゥール・ダルジャン」なりが、本国のフランスでは最近あまり評判がよろしくないようで。1933年にミシュランの格付けが始まって以来、1952年を除いて必ず三つ星を付けていたなりが、1996年には二つ星に転落。そしてついには2006年版で一つ星が付けられてしまったなりよ。ミシュランには三つ星が26店、二つ星が70店、一つ星が425店しか掲載されていないので、格付けされること自体が栄誉なことではあるなりが、長年頂点に君臨していた「トゥール・ダルジャン」が転落していく様は、何か寂しいものがあるなりね。
1582年の創業から、実に400年以上の歴史を持つ名店「トゥール・ダルジャン」。クオリティを落とさずに年輪を増やしていくのは難しいことではあるなりが、このまま「昔は名店だった」と語られるまで落ちぶれないよう、再び頂点に向けて巻き返しがはかれると良いなりね。