まだ初回の放送を見ていない人もいると思うので、詳しい内容には触れないでおくなりが、その内容を見た人からは賛否両論……というよりも、むしろ否定的な意見が目立つ様子。キャスト発表や予告編の段階から、これまでの「月9」とあまりに落差があることに期待値が下げていたドラマ好きも少なくないなりが、実際に初回の放送を見てみたら、低めに設定していた期待値よりもさらに厳しい現実が……と、これ以上はあえて言うに及ばず(笑)。
そのような状況のため、視聴率的にも「惨敗するのでは」との雰囲気が漂っていたなりが、フタを開けてみたらビックリ。なんと、近年の連続ドラマの視聴率としては異常に高い29.2%を記録してしまったなりよ。まだ各局の「冬ドラマ」は放送待機中なりが、恐らくこのクール、この数字を越えるドラマが出るとは考えにくいなりね。
なぜ「西遊記」は、内容が散々だと感じる人が多かったのに、29.2%もの高視聴率をたたき出すことができたのか。いくつか要因が考えられるので、簡単に列挙してみるなり。
・主演の香取慎吾に加え、第1話に木村拓哉がゲスト出演した(SMAPパワー)。
・SMAPの出演番組(19時台が「草なぎおすぎとピーコの女子アナ2006大人の女になりたいのっ!SP」、22時台が「SMAP×SMAPは生放送」)にはさまれていた(SMAPパワー)。
・香取慎吾が番組宣伝で盛んに「子どもでも安心して見られる」を連発、従来のドラマ視聴者層とは異なる子どもを取り込んだ。
・裏番組が弱かった?(日本テレビ系は2時間ドラマ「曽我ひとみの9472日19歳で拉致、監禁、恋、結婚、脱出…完全版」、TBS系は2時間ドラマ「西村京太郎サスペンス十津川シリーズ最新作」、テレビ朝日系は「たけしのTVタックル」、テレビ東京は「いい旅…芸人爆笑SP」)
SMAPパワーはどれほど力があるのかは図りかねるなりが、「西遊記」の前後をSMAP関連の番組ではさみ、すべての番組を「SMAPホリデーSP」との冠でくくったことで、チャンネルを変えずにフジテレビを見続けていた視聴者が多かった可能性はあるなりね。ここら辺はフジテレビの編成の賜物と言えそうなりか。
「子どもの視聴者」というキーワードも見逃すことができなそう。これまでの「月9」の視聴者層は主に20代の男女だったはずなりが、異色の「西遊記」を放送することで視聴者層が拡大。香取慎吾の猛アピールもあって、子どもを取り込むことができたとも考えられそうなりよ。いずれにしても、フジテレビの作戦勝ち、企画勝ちといった感じなりね。
「西遊記」は、あくまでもこれまでの「月9」とは違うチャレンジなので、従来のドラマの枠組みで評価しないほうが良さそう。過去の「西遊記」との比較、という点は避けられないにしても、「東京ラブストーリー」などと並列に語るのは間違っているかもしれないなりね。来週以降もこの高視聴率を持続できればホンモノ。視聴率動向から目が離せないなり。