ただ、「ネムリユスリカ」の凄さはそれだけでは無いなりよ。驚くべきことに、零下270度や100度の高温といった過酷な環境に幼虫を晒しても、命に別状なく生き延びることができるというなり。農業生物資源研究所の実験では、「零下197度の液体窒素に1週間/濃度100%のエタノール溶液に1週間/チューブに入れ90度のお湯に1時間」(朝日新聞より)といった環境に晒しても、水を与えると約1時間程度で動き出したのだとか。これだけの生命力を持った生物はほかにあまり例がないことから、その生命力の秘密を探る研究が盛んに行われているなりね。
そんな「ネムリユスリカ」の驚異の生命力を実際に見てもらおうと、学研の科学雑誌「科学のタマゴ」に、ホンモノの乾燥した「ネムリユスリカ」を付録として付けようという計画が進められているというなり。あまり生きた状態の生物を雑誌の付録にするという話は聞いたことが無いなりが、どのような悪条件にも平然と耐えられる「ネムリユスリカ」なら、確かにアリなのかも。子どもはこういうの喜びそうなりよね。
しかし、もともとアフリカ原産の「ネムリユスリカ」を雑誌の付録にして、成虫として放たれたときに生態系への影響は大丈夫なのかと心配になってしまうなりが、その点はしっかりと考慮されているようで、あらかじめ幼虫に放射線を当てて不妊化を施すなりね。また、「ネムリユスリカ」は成虫になっても人間や動物の血を吸うことは無いようなので、その辺りも心配することは無さそう。生物のことゆえ、予測しなかったような何らかのアクシデントが起きないとは限らないなりが、理論上は全く問題ない状態で付録にされる予定のようなり。
百聞は一見に如かず。こうした生命の神秘を目の当たりにすることで、生物や科学に興味を持つ子どもが増えることは良きこと。まだ計画の段階なので実際に発売まで漕ぎ着けるかどうかは分からないなりが、上手く行けば来年5月以降に「科学のタマゴ」の付録になるようなり。興味ある人は、今後の成り行きを注意深く見守って下さいませ。