しかし、ロックにこだわるサンボマスターだけに、「ドラマのタイアップ」という俗っぽさとは無縁とも思われたなりが、なぜ主題歌への起用を受諾したのか。その辺の事情について語ったインタビューが、現在発売中の「週刊ヤングサンデー」に掲載されているなりよ。まあ単純に「売れるために手段を選ばず」という穿った見方をする人もいるなりが、本人たちは「電車男」の「オタクの恋」というテーマに、考えさせられるところがあったようなり。
「『二枚目の男がどうしたこうした』なんてドラマだったら、僕らは似合わないですよ」
「(原作は)あえて読まなかった。原作の世界観のためだけに曲を書いちゃいけないと思ったんですよ」
「『俺らロックなんだからテレビの主題歌なんてやんねぇぞ』というのもダメだし、『ドラマの主題歌だからあえて〜』というのもダメだと思ったんですよ」
「電車男って、周りから聞いた話から判断すると、少なからずともコンプレックスを持っている主人公だと思うんです。で、僕らは『少なからずどころじゃないコンプレックス』を持っているので(笑)。そういう部分がリンクしたというか、繋がったのかもしれない」
相変わらずヴォーカルの山口隆の「ですよ」節は健在なりね(笑)。それはともかく、やはりコンプレックスを持った男への応援歌的な部分が、サンボマスターのカラーに合致していた、ということが主題歌受諾の大きな理由のようなり。原作を読まずに書き下ろしたと語っているなりが、曲の雰囲気、歌詞、そしてエンディングの演奏シーンのいずれを取っても「電車男」にベストマッチといった感じ。ほかのアーティストでは、ここまでの一体感は出せなかったかもしれないなり。
主題歌の「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」は、山口隆曰く「聴いたら何も手につかなくなるくらいの曲です」というほどのサンボマスターの自信作。「電車男」を離れても、素敵な、熱い曲なので、まだ聴いたことが無い人はぜひチェックしてみて下さいなり。