ただ、経営者側も決して一枚岩になっているわけではなく、その中には選手会の要望に賛同する球団もあったようで、会議のあとにこんなコメントが出されているなりね。
阪神の野崎勝義球団社長「来季からの参入? そうです。私と同じ意見の方もかなりおられたがマジョリティー(多数)が取れなかった。その点がクリアになればストは回避できたと思う」
中日の伊藤一正球団代表「うちとしては、結果は別として(2005年からの新規参入という文言を)入れてもいいと言った」
横浜の山中正竹球団専務「(横浜としては)2005年という言葉を入れて、明確に来シーズンから12球団という形にするべきだという考えを示した」
残念ながらパ・リーグの各球団と巨人は明確に選手会の要望を拒絶しており、今回はストライキに突入という結果になってしまったなりが、きっと古田敦也選手会会長もこうした阪神、中日、横浜の声に若干の手応えを掴んでいるのかもしれないなりね。まだ、これから粘り強く交渉を続けていけば、事態が変わる可能性は残されている、と。
しかし、こうも頑なに来季からの新規参入を拒もうとするパ・リーグ&巨人の思惑はいったい何なのか、と考えていくと、やはりその先には「再来年から1リーグ」という構想がいまだに生きているのかな、という気がしてならないなりよね。そのため、「2リーグ12球団」に戻そうとする選手会やライブドアが鬱陶しい存在だと認識している……と考えると、一連の動きにも説明が付くような。ライブドアが参入して、パ・リーグが盛り上がって「しまったら」、「1リーグ」移行という思惑が崩れてしまうなりからねぇ。
神奈川新聞に、横浜の球団首脳のため息混じりのコメントとして、こんな一言が出ていたなり。
「いまにして思えば、そもそもオリックス、近鉄の合併を承認しなければよかった。各球団の代表はみな、後悔していると思う」
オリックスと近鉄の合併、そして球団削減というパンドラの箱を開けてしまった事への後悔とも取れる言葉なりが、開けてしまったら元へは戻れないのがパンドラの箱。これからプロ野球が良い方向に向かうのも、悪い方向に向かうのも経営者たちに大きな責任がのしかかっているだけに、少しでも後悔する部分があるならば、いつまでも旧態依然とした主張を繰り返すのではなく、前を向いて、新しい提案をしていって欲しいなりよね。少なくとも、阪神、中日、横浜の3球団は最後の良心として期待できそうな点もあるので、選手会を後押しするような動きを見せてくれると良いなりねぇ。