この方針転換を裏で推し進めたのは阪神の星野仙一SDと野崎勝義球団社長。13日に開かれた阪神の役員会の席で「1リーグ制は球界や阪神にとってどうなのか」について星野SDが持論を展開。野崎社長も以前から2リーグ制の枠組みを壊すべきではないと訴えていたなりが、改めて同席した久万俊二郎オーナーに思いの丈をぶつけたようなり。最終的には久万オーナーから「もっともっと検討すべきだ。(1リーグ)10球団は本当に困る。2リーグと比べたら、それははっきりしている」「(星野SDや野崎社長は)まさしく正論」とのコメントを引き出し、球団として2リーグ制維持に向けて動くことが決定したなりね。
近鉄とオリックスの合併については、阪神としては他球団の動きなので基本的には「やむなし」という姿勢。まあそれは仕方がないと思うなり。ただ、合併が成立してパ・リーグが5球団になったとしても、2リーグのままで運営を続けるべき、との立場になったわけなり。また、仮にパ・リーグの中でもうひとつ合併が成立したとしても、10球団による1リーグ制には反対、という方針のようなので、ここら辺は大きな前進なのではないかと。ちなみに巨人の渡辺オーナーはパ・リーグが5球団(近鉄+オリックスの合併のみ)なら来季は2リーグ、4球団(近鉄+オリックスの合併と、もう一組の合併)なら来季から1リーグとの方針を打ち出しており、ここら辺は阪神の考え方と異なるところなりね。
阪神が「2リーグ制維持」を明確に打ち出したことで、他にも同意見の球団が追随してくるはず。各球団、1リーグ制に移行した場合の収支について試算をしているなりが、その数字はいずれも芳しいものでは無いようだし、阪神が空けた風穴を大きくして、なんとか来季も2リーグが存続できることに期待したいものなり。