その連中とは、飲食店の経営者ら3人。スキャナとプリンタでラベルを偽造し、他社の焼酎に貼り付けて販売していた。本物そっくりのフタを封印する金属製カバーまで付けるという手の込みようなのだ。ネットを利用し、本物の10倍にあたる2万5000円前後で、2003年10月ごろから400本近く売りさばいていたそうな。なんでバレたかというと、この商品をネットオークションで落札した都内に住む男性が、ラベルの色合いが違うことに気づいて蔵元の森伊蔵酒造に鑑定を依頼し発覚したようなのだ。うーむ、この男性は通なのだ。
3人は詐欺罪などの容疑で逮捕されたけど、背後に大規模な偽造グループがいる可能性があるらしく、今後も捜査を続けるそうな。
それにしても、定価2500円、送料含めて関東なら3865円の焼酎が、なぜオークションなどで1万5000〜4万円で取り引きされているのか。その理由は、蔵元の森伊蔵酒造が取っている「少数生産」と「抽選販売」にあるのだ。
「森伊蔵」を購入するには、毎月15〜25日に森伊蔵酒造(099-239-1111)へ電話し、自動アナウンスに従って1と♯を押す。しかし、これは抽選にエントリーしただけなので、26日〜月末に行われる抽選に当選しなくてはならない。自分が当選したかどうかを翌月の1〜14日までの間に確認し、発送を依頼するのだ。ほとんど当たらないらしく、これほど人気が出ても蔵元は増産しない。こりゃあ、値段がつり上がるってもんなのだ。ちなみに、日本航空(JAL)の国際線でも毎年4月に機内販売しているそうな。ほかにも高島屋の一部店舗や鹿児島の酒屋などでも手に入るようなので、手に入れたい方はぜひ。
「森伊蔵」は、古めかしい名前の割には初蔵出しが1987(昭和62)年末という、まだ歴史の浅い焼酎なのだ。原料を契約農家の有機栽培で生産されたコガネセンガンというサツマイモを使い、瓶壺で最低3か月以上熟成させているおり、「芋焼酎の王様」といわれているそうな。実はぼくは飲んだことがないのだけれど、飲んだ人によると、「うまい、うまいね、実際。芋の臭さが上品なんだよ」という意見や「え? ああ、言うほどうまくないよ。さつま○波と変わんないんじゃない?」などマチマチである。しかし、これだけ人気のある焼酎なら、焼酎好きのぼくとしてはぜひとも1回は飲んでみたいものなのだ。
それにしても、この分だと「魔王」や「十四代」、「百年の孤独」なんかも偽物が出回ってるのかも。味だけじゃわからないから気を付けないと。つーか、そんなヤツが高い酒飲むんじゃない!って話ですけど(笑)。