ところでこの映画はキリストが十字架張り付けにされて処刑され息絶えるまでの12時間を、リアルに描いたモノ。イバラの冠をかぶせられ、鞭打ちにされ、さらには十字架の横木を背負いながら自分が張り付けにされる丘まで歩かされ…。さらに両手両足を釘付けにされて、息絶えるまでその壮絶な痛みに耐えなければならない…。考えるだけでむごたらしいです(汗)。
その暴力描写は聖書に忠実なだけに、かなり衝撃的だと公開前からかなり評判になったワケですが。実際ギブソン監督もこの映画は子供向けではないし、映画のレイティング指定をPG-13という「13才以下は親の承諾なしに子供には観賞させないこと」と決めたほど。
で、先週日曜日はそのキリストが処刑されて3日後に復活した日。通常日曜日には教会でミサが行われますが、この特別な日に、集まったキリスト教徒の間で『パッション』が話題の中心だった事は想像に難しくないところです。もちろんペンシルバニア州のグラスポートと呼ばれる町のとある教会でも、それは例外ではなく…。
この映画、いや元を言えばキリスト教での大切なメッセージ「キリストは人々のために、自分の苦しみさえも厭わなかった」。これを日曜学校で子供達に判りやすく寸劇にして説こうとしたんだそうです。この教会の牧師さん達は。
確かに大切な教えですし。
でも、このキリストの受難を説教するのに復活祭のマスコットであるイースター・バニーをキリストに見立てたのが失敗の元。
ふわふわの毛皮、イノセントな瞳。子供たちに人気者のキャラクターであるこのウサギちゃんがステージに登場すれば、そりゃあ喜びますわなぁ…。それなのに劇の内容ときたら、彼を鞭打ちして、さらにその「イースター・バニーなんて本当はいないんだぞー!」と存在を否定し、イースターの卵をガシガシぶっ壊したという。そのストーリーに子供は絶叫。泣き叫ぶ子供が後を絶たなかったとか…。そりゃあ、そうだろう(汗)。
この劇のことを子供から聞いた親も激怒。強い苦情が教会にワンサカ届けられ…。当の劇を作成した人達も自分たちの過激さをかなり後悔したそうで、後に謝罪をしたそうな。
っちうかウサギも謝ってもらったかしらね、と。