●「イエス・キリストの受難劇」がテーマという、かなり濃い宗教色
エンターテイメントとしてはかなり重過ぎて、映画化するにはタブー視されていたトピック。それにあえて挑戦したワケですが。キリストを陳腐な描写なんかしたら、それこそ真面目なクリスチャンから大ヒンシュク買いますしねー。
●会話がラテン語とアラム語のみの字幕上映
日本人は映画館で外国映画を観るのに字幕慣れしてますけど、アメリカ人はハッキリ言って字幕上映が苦手ですしねぇ。それなのにアナタ、ラテン語ですよー。さらにアラム語って何さ(汗)?
今ダンナに聞いたら古代中東の言語らしいです、アラム語。今はシリアの少数民族が使用しているのみ、とか…。
●反ユダヤ主義的なメッセージだと批判される
ギブソン監督自身がキリスト教の宗派の中でも、かなりコンサバな「伝統主義カトリック」の信者なため、ストーリーの描写が「反ユダヤ」的なんじゃないかと映画の公開前から非難されておりました。
さらに、監督のお父さんがインタビューで「第二次世界大戦中のユダヤ人の大量虐殺の信憑性には疑問を感じる」とコメントして、さらにギブソン氏の思想に疑問を抱く人も出てきた様子。
まあ、この辺は個人的に宗教や歴史に詳しくないんで良くわからないですが…。
●R指定映画である
イエス・キリストの生前最後の12時間を聖書の記述の通り描写した映画の為、鞭打ちや十字架への貼り付けなど、かなりビジュアル的に過激。血がいっぱいです…。
●製作費用を全部自腹
30億円をポンと出すってだけで凄いです。上で説明した通り、かなりコントロバーシャルな内容で、非難ごうごうで誰も観ない可能性もあるというのに…。
それだけ作りたかったんだろうなぁー。
で、まあ実際にフタを開けたところ。
これだけリスクの多い映画でありながら、いきなりの興収トップに。しかも公開後3週目を過ぎましたが、ずーっと独走状態ですよ。今までの売り上げはなんと約290億円だそうで。ちなみにこの売り上げはほとんどギブソン監督の収入になるそうで。まあ、キリスト教のお話してる時にお金の話題もなんですが、ちょっと凄いなと。
さて、今後は4月にキリスト教最大の意味を持つ復活祭がやってくることもあり、「パッション」を観に映画館に足を運ぶ人がさらに増えるであろうと予測されています。話題性、内容、興収大ヒットと、いろいろな意味で、映画史に名前を残すことになりそうですね…。
ちなみに日本公開は5月予定だそうです。