とにかく弱くて、今年も最下位候補!という以外には、佐々木投手の復帰が大きな話題になっているくらいで、他にパッとしたネタが少ないそんなベイスターズ。そんな中、97年、98年と2年連続首位打者に輝き、98年のチーム日本一にも大きく貢献した鈴木尚典(たかのり)選手がシーズン開幕に向けて調子を上げているのである。
4月に32歳になる鈴木尚典は今季で14シーズン目。じゅうぶんすぎるほどのベテランである。首位打者のころがあまりに輝いていたので最近はいまいち目立たないが、それでも過去7シーズン中5シーズンは3割1分を超える打率をマークしているのである。その彼が、はたから見ても本人の弁でも、今のところ納得のいく仕上がり。「いい打球が飛んだ。去年より飛距離も伸びている」−−居残りでロングティー打撃をした際にはフォームに細心の注意を払い、ライト側へ柵越えも見せた彼はこう語っているのである。
とにかく、われわれファンは98年のあの興奮を再び味わいたいのである。去年の阪神ファンがうらやましくてたまらないのである。佐々木の切れのあるフォークが、タイロン・ウッズのホームランが、そして尚典のシブいタイムリーヒットやツーランが見たいのである(もちろんスリーランや満塁弾も大歓迎)。
28日、宜野湾にヤクルトを迎えてオープン戦の幕が開けるのである。