アルジェリアは、1991年にイスラム原理主義組織「イスラム救国戦線」(FIS)が総選挙に圧勝したのを、原理主義政府樹立を恐れた軍とフランスが1992年に選挙を無効にしてクーデターを起こしたのを皮切りに、FISと最強硬派の組織「武装イスラム集団」(GIA)が軍・警察と衝突を続け、無差別テロなどで10万人が犠牲になっている。FISとGIAはオサマ・ビンラディン氏が構築する「ラディン・ネットワーク」の一部だが、GIAは裏で軍と結託してFIS派の村落を狙ったテロを繰り返すなど、アルジェリアはもう何が何だかわからない泥沼の内戦状態だったのだ。結局、GIAは軍に追われてヨーロッパに逃げのだが、ロンドンに司令部を置き、中東イスラム過激派の受け皿となって地下活動を続けている。
今回の事故が即テロに結び付くわけではないが、アルジェリアの情勢を考えると、可能性がないわけではない。こういった内情を抱えた国に住む人はホントに気の毒。あらためて平和をむさぼっていることを実感し、平穏無事な毎日を送れることに感謝しちゃったりするのだ。