
2006年英米主要音楽賞開催! PART 2 ブリット・アワード
2006/02/12(Sun) 22:59
今年も2月がやってきました。2月といえばミュージック・アワード、いわゆる音楽賞のなかでも世界最大のグラミー賞と、英国で最も権威のあるブリット・アワードが開催される月。また、音楽業界のしがらみから解き放たれた英音楽誌NME主催のNMEアワードも開催されます。各賞ともノミネートが発表されたので、Narinari.comでも大特集! お気に入りのミュージシャンがどの賞のどの部門にノミネートされているかチェックしてみてください。 ブリット・アワード2006(The BRIT Awards 2006) 2月15日(日本時間16日)、ロンドン・アールズコート “英国のグラミー賞”といわれる英国、ひいては欧州最大にして最高の賞であるブリット・アワード。1977年、エリザベス女王の即位25年、いわゆるシルバー・ジュビリーを記念して英国音楽協会(British Music Industry)が主催したもので、最初は過去25年間の音楽の功績を称える記念イベントでした。この年はセックス・ピストルズが「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」を発表した年ですね。もちろん、彼らは一切表彰されていませんが。1982年、英国レコード協会(British Phonographic Industry;BPI)がBPIアワードとして5年ぶりに行ってから年中行事となり、1989年にブリット・アワードと改名、現在に至ります。グラミー賞に比べて歴史はずいぶん浅いですが、これだけの権威を誇るのは、ビートルズやストーンズをはじめ世界の音楽史に名を残すミュージシャンを輩出してきた国だからなのでしょうか。 ブリット・アワードは、グラミー賞と違って英国のアーティストが中心です。英国以外のアーティストはインターナショナル部門のみの表彰となります。受賞者はアーティストのマネージャー、出版関係者、プロモーター、DJ、会計士、弁護士、過去の受賞者などから構成される1000人のアカデミー会員の投票によって決定しますが、最優秀ブリティッシュ新人賞、最優秀ブリティッシュ・シングル賞、最優秀ブリティッシュ・アーバン・アクト賞、最優秀ブリティッシュ・ロック・アクト賞、最優秀ブリティッシュ・ポップ・アクト賞は、割り当てられたメディアを通して一般投票によって決定します。賞にノミネートされる作品リリースの対象期間がグラミー賞に比べて新しいというのも特徴です。また、授賞式の会場にはノミネートされたアーティストや関係者だけしか入ることはできませんでしたが、2003年の授賞式から一般にもチケットが発売されるようになりました。ちなみに第1回は、ビートルズが最優秀ブリティッシュ・グループ賞、最優秀ブリティッシュ・アルバム賞、功労賞の3賞を受賞しました。 さて、今年のブリット・アワードで注目なのは、ともに最多5部門にノミネートされたカイザー・チーフスとジェームス・ブラントの2組の新人。それを4部門のコールドプレイが後を追います。グラミー賞と違って、現在のロック復興が今年もしっかりと反映されていますね。ジェームス・ブラントはアルバム『バック・トゥ・ベッドラム』が昨年、英国で年間最多セールスを記録。カイザー・チーフスの『エンプロイメント』も年間4位の好成績を残しました。昨年の同賞で最多5部門にノミネートされたフランツ・フェルディナンドは2部門、オアシスも2部門にとどまり、ベイビー・シャンブルズはノミネートなし、ザ・ローリング・ストーンズの名前もどこにもありません。オアシスとベイビー・シャンブルズは本国でも不遇ですね。まあ、ノミネートされても逮捕続きのピート・ドハーティは授賞式に出席できないでしょうけど。 また、本国よりも英国で人気のあるザ・ホワイト・ストライプスが最優秀インターナショナル・グループ部門にノミネート。最優秀ブリティッシュ新人部門には早くもアークティック・モンキーズが登場しています。ライバルがカイザー・チーフス、ジェームス・ブラントと超強力ですが、現在の人気と勢いはアークティック・モンキーズのほうが上。健闘が期待されます。グラミー賞初ノミネートを果たしたメロウなサーフ・ミュージックを奏でるジャック・ジョンソンが、インターナショナル2部門にノミネートされています。しかし、インディーで2002年、メジャーでも2003年にデビューしている彼が、なぜ新人部門にノミネートされているのでしょうか。ちなみに、グラミー賞で5部門を制覇したU2はアイルランド出身のため、インターナショナル部門のみで表彰されます。功労賞を受賞したこともあるのですが……。 最優秀ブリティッシュ・シングル部門にノミネートされているトニー・クリスティーの「恋のアマリロ」は1971年に発表された曲が、コメディアンのピーター・ケイがコミックソングとして歌い、今年英国で大ヒットしました。さらに、このコミックソングに合わせて英兵が冗談でつくった「アルマジロへの道」というビデオが、イラク従軍兵の間で話題となり、あまりのアクセスの多さに英国防省のサーバーが一時ダウンするという逸話もあります。 また、グラミー賞同様、授賞式のライブ・パフォーマンスも見所の一つ。今年は最多ノミネートのカイザー・チーフスとジェームス・ブラント、4部門のコールドプレイはもちろん、3部門のKT・タンストール、2部門のゴリラズとケリー・クラークソン、最優秀インターナショナル男性ソロ部門にノミネートされているカニエ・ウェストとジャック・ジョンソン、そして、功労賞を受賞するポール・ウェラーの出演が決定しています。功労賞といえば、当初ブリット・アワードはポール・マッカートニーに同賞を贈る予定だったのですが、「功労賞をもらうには若すぎる。これを受賞したら、みんながぼくのキャリアが終わったと考えるんじゃないか」として辞退しています。代わりに受賞することになったポール・ウェラーは、マッカートニーの16歳年下なのですが……。 【ブリット・アワード2006ノミニー・リスト】 ●最優秀ブリティッシュ男性ソロ部門(British Male Solo Artist) アントニー&ザ・ジョンソンズ イアン・ブラウン ジェームス・ブラント ロビー・ウィリアムス ウィル・ヤング ●最優秀ブリティッシュ女性ソロ部門(British Female Solo Artist) シャーロット・チャーチ ケイト・ブッシュ ケイティ・メルア KT・タンストール ナターシャ・べディングフィールド ●最優秀ブリティッシュ・グループ部門(British Group) カイザー・チーフス コールドプレイ ハード・ファイ フランツ・フェルディナンド ゴリラズ ●最優秀ブリティッシュ・アルバム部門(MasterCard British Album) 『X&Y』 コールドプレイ 『ディーモン・デイズ』 ゴリラズ 『バック・トゥ・ベッドラム』 ジェームス・ブラント 『エンプロイメント』 カイザー・チーフス 『エアリアル』 ケイト・ブッシュ ●最優秀ブリティッシュ・シングル部門(British Single) 「スピード・オブ・サウンド」 コールドプレイ 「ユア・ビューティフル」 ジェームス・ブラント 「ザッツ・マイ・ゴール」 シェーン・ワード 「プッシュ・ザ・ボタン」 シュガーベイブス 「恋のアマリロ」 トニー・クリスティ ●最優秀ブリティッシュ新人部門(British Breakthrough Act) アークティック・モンキーズ ジェームス・ブラント カイザー・チーフス KT・タンストール マジック・ナンバーズ ●最優秀ブリティッシュ・アーバン・アクト部門(British Urban Act) クレイグ・デイヴィッド ディジー・ラスカル KANO ラマー ミズ・ダイナマイト ●最優秀ブリティッシュ・ロック・アクト部門(British Rock Act) フランツ・フェルディナンド ハード・ファイ カイザー・チーフス カサビアン オアシス ●最優秀ブリティッシュ・ライブ・アクト部門(British Live Act) オアシス KT・タンストール カイザー・チーフス コールドプレイ フランツ・フェルディナンド ●最優秀ポップ・アクト部門(Pop Act) ジェームス・ブラント ケイティ・メルア ケリー・クラークソン マドンナ ウエストライフ ●最優秀インターナショナル男性ソロ部門(International Male Solo Artist) ベック ブルース・スプリングスティーン ジャック・ジョンソン ジョン・レジェンド カニエ・ウェスト ●最優秀インターナショナル女性ソロ部門(International Female Solo Artist) ビョーク ケリー・クラークソン マドンナ マライア・キャリー ミッシー・エリオット ●最優秀インターナショナル・グループ部門(International Group) アーケイド・ファイア ザ・ブラック・アイド・ピーズ グリーン・デイ U2 ザ・ホワイト・ストライプス ●最優秀インターナショナル・アルバム部門(International Album) 『フューネラル』 アーケイド・ファイア 『アメリカン・イディオット』 グリーン・デイ 『レイト・レジストレーション』 カニエ・ウェスト 『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』 マドンナ 『ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム』 U2 ●最優秀インターナショナル新人部門(International Breakthrough Act) アーケイド・ファイア ダニエル・パウター ジャック・ジョンソン ジョン・レジェンド プッシーキャット・ドールズ ●功労賞(Outstanding Contribution to Music) ポール・ウェラー

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