ビルド・ア・ベア・ワークショップでぬいぐるみ作り

2004/06/10(Thu) 21:04

セントルイスから世界へ飛び立った店

 「ビルド・ア・ベア・ワークショップ」(Build-A-Bear Workshop)というお店をご存知ですか? 約30種類のクマやウサギ、イヌなどのぬいぐるみを販売しているこのアメリカ生まれのお店は、今アメリカでも店舗を増やして、急成長中の企業。その成功の裏にあるのは、ここが単なるおもちゃ屋さんではないから……。このショップでは、なんと自分でオリジナルのぬいぐるみを、その場で作って名前を付けた後、そのぬいぐるみのために「出生証明証」までもらえるという、体験型ワークショップだからなのです。

 この「ビルド・ア・ベア」は、ここセントルイスで生まれました。1997年にギャラリア・ショッピング・モールの敷地内に第一号店が開店。その直後からこの新しいコンセプトのぬいぐるみ屋さんは大評判になり、今では国内で150店舗前後を展開しています。その後もイギリスを始め、韓国などにも海外進出。日本にも「ビルド・ア・ベア・ワークショップ 銀座店」が2004年2月から開店していますので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。

 さて、アメリカの「ビルド・ア・ベア」では、個人でお店に行ってぬいぐるみを作るほかに、団体でワークショップ・パーティも開くことが出来ます。日本語公式ページによると、子供たちの間では誕生日パーティをここで開くのが人気なのだとか。今回、ウォール真木の娘も5才になるお友達の誕生日パーティに招かれ、母子で生まれて初めてクマさん作りを体験することになりました。

How to Build a Bear クマの作り方

 やって来たのは、記念すべき「ビルド・ア・ベア 第一号店」。お店にはすでにパーティに参加する子供たちとその付き添いの親たちでごった返しています。お店の一角の壁には、色々な種類のぬいぐるみが展示されていて、その種類の多さと、明るい彩りに気分はウキウキ。そして床に置かれたコンテナーには、ぬいぐるみの「元」となる、綿入れされていないヘラペラな状態の動物の「皮」が……。


展示されたぬいぐるみ

動物の「皮」……

 店員さんが子供たちを集めて、誕生日の主役を隣に座らせ、ワークショップの始まり、始まり。


「集まって集まってー」

「すわってすわってー」

 小さい子供が相手なので、店員さんも大変です(笑)。ぬいぐるみは、次のような工程で作られていきます。

CHOOSE ME (僕たちを選んでね)
 
まず数あるぬいぐるみの「皮」から好きなモノをを選びます。値段は大体10〜20ドル程度(綿入れ代含む)。日本では1400円〜3600円ほどのようです。


「どれがいいかなー?」

HEAR ME (聞いてね)
 
オプションでボイス・プレーヤーをぬいぐるみの中に入れることが出来ます。むぎゅっと抱きしめると、メッセージが聞こえたり動物が鳴いたり……となるわけですね。

STUFFME (綿を入れてね)
 人形とボイス・プレーヤーを選んだら、綿を入れるマシンの登場。機械の中では綿がふわんふわんと回っています。お店のお兄さんがひとつひとつのぬいぐるみを、子供たちに話しかけながら丁寧にスタッフィングしてくれます。「クマちゃんの名前は何にするのかなぁ?」「んー、わかんなーい……」。


これがハート形チップ

綿入れ作業中

抱きしめて感触を確認!

 スタッフィングが終わった時点で、「ハグ・テスト」という綿の詰め具合を試すテストをします。ぬいぐるみをむぎゅっと抱っこして、気持ち良いかどうかを確認。 


どおれ…。ん、良い感触!

STITCHME (背中を縫ってね)
 「ハグテスト」の後は背中を縫い付けます。これはすでに人形本体の背中に糸が通っていて、お店の人がいとも簡単に作業をしてくれます。しかし、この前に大切な作業があります。これはぬいぐるみに「命を吹き込む」儀式で、小さなハート型のチップをぬいぐるみの体の中に入れるのです。願い事を閉じ込めて……キスをして。子供にとっては、とっても神聖で特別なことに思えるのでしょう。みんな真剣な顔をして願い事をしていました。


これがハート形チップ

みんなで願いを込める

FLUFFME (フワフワにしてね)
 ぬいぐるみが形になったら、エアー・シャワーを浴びさせてふわふわの毛並みにしてあげましょう……というわけでお風呂場に移動。ブラッシングもしてあげてね。


エアシャワー中

DRESS ME (お洋服を着せてね)
  このままぬいぐるみだけ作って、終わりでも良いのですが、もっとパーソナライズされた自分だけのぬいぐるみを作りたい場合には、色々なコスチュームを着せることが可能です。Tシャツ一枚から、男の子用の消防士さんや警察官、女の子用のドレスやバレリーナのコスチュームなど、たくさんのお洋服があって、これまたどれにしようか悩みそうです。また、靴や帽子、バッグといったアクセサリーも豊富。携帯電話なんてのもあるんです(笑)。Tシャツが3〜4ドル。もっと豪華なコスチュームでは15ドルといったところ。


どれがいいやら……。

靴もたくさん。

わいわい、がやがや。

 日本では販売されているかどうかわかりませんが、こちらではディズニーと提携してプリンセスのドレスなどもあり、その他にもメジャーリーグやバスケットボールのチームユニフォームなども揃っています。

NAME ME (名前をつけてね)
  世界にひとつだけ、あなたのために作られたクマちゃん。名前もちゃんと付けてあげましょう……ということで、コンピューターで名前や身長、体重などを入力して出生証明証を発行してもらいます。この時、自分の名前や住所も登録しておくと「ビルド・ア・ベア」特別の、とあるサービスが受けられるのです。

色々な特権

 それは、個々のぬいぐるみに取り付けられたこのバーコードのタグが活躍するモノ。このタグ、上下半分に切り離せるようになっており、下部分はぬいぐるみの背中を縫い付ける前に体内に入れておきます。そして、上半分は名前を登録する時にコンピューターにスキャンし、そのぬいぐるみひとつひとつに付けられた認識コードを記録させます。

 そうして、持ち主の連絡先などを入力しておけば、万が一このぬいぐるみをなくしてしまった時も、見付けた誰かが「ビルド・ア・ベア」にそれを持って来てくれれば、そのお店の人がぬいぐるみの中のバーコードを探し出し、データベースから持ち主を探し出してくれる……というのです。迷子になっても大丈夫なように配慮されているのですね。

TAKE ME HOME (お家に連れて帰って)
  こうして完成したぬいぐるみは、箱に入れられ、晴れて一家の仲間となり、持ち主のお家に連れて行ってもらいます。一体のぬいぐるみを作るのに、所要時間はだいたい30分程度。けれども、子供と大人が一緒になってひとつの特別な人形を作る過程は、大変楽しくて子供にも良い想い出となること請け合い。人形のコスチュームも、何種類もそろえることが出来るので、思わず散財しちゃうのが難点ですが……(笑)。

 だいたい一回のワークショップで予算は15〜35ドルといったところ。アメリカの一般的な子供のためのオモチャとしては、決して安くはありません。でも、特別行事として体験するにはかなりお得なイベントかも。

 ウォール家も、今後はまりそうです。




 

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