膝や鼻の手術から目が覚めたらスペイン語ペラペラに…“外国語症候群(FLS)”とは

2026/01/09 06:09 Written by Narinari.com編集部

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あるアメリカ人男性が、手術から目を覚ますと、突然、流暢なスペイン語が口から漏れ出したという。

サッカーの負傷で膝の手術を受けた、当時19歳だったユタ州出身のスティーブン・チェイスさん(33歳)は、子どもの頃、周りにヒスパニック系の人が多い環境で育ち、日常的にその「音」を聞く機会はあったものの、自身にスペイン語圏のルーツは皆無だったとしてこう振り返っている。

「スペイン語は話せませんでした、高校で1年間学びましたが初級レベルです。10まで数えられるくらいで、いくつかのフレーズを知っていた程度です」

しかし膝の手術から目覚め、スペイン語で流暢に話していたのを見た病院スタッフや家族は呆然。スティーブンさんも自身の言動に全く気づいていなかったそうだ。

「スペイン語を話していた記憶はほとんどありません。ただ『英語で話してくれ』と皆から言われて、とても混乱しました」

現在は3児の父親のスティーブンさん。麻酔から目覚めた直後の「約20分〜1時間ほど」だけ、ネイティブレベルで話せる状態になったそうで、その後、複数の手術(鼻の手術など)の際にも、毎回同じようにスペイン語を話し始めたという。ちなみに現在は伝道活動などで学習したため日常会話はできるものの、術後の「完璧な流暢さ」には及ばないそうだ。

この現象の背景には、外国語症候群(FLS)と呼ばれる極めて稀な神経精神疾患があり、外国語アクセント症候群と併せて分類されることが多い。この症状は、本人の意思とは無関係に、突然母国語や母国語のアクセントから別の言語・アクセントに切り替わり、患者は、その言語をこれまで一度も正しく話したことがなくても、周囲には流暢に話しているように聞こえる。

米国国立医学図書館によると、FLSは脳損傷や心理的ストレス、そして「手術からの覚醒」によって引き起こされる可能性があり、麻酔が関与する場合、脳がリセットされるまでの効果は数分から数時間に及ぶという。

スティーブンさんの場合、無意識のうちに脳が記憶していた「周囲の会話や断片的な知識」が手術後の特殊な脳の状態で一気に引き出されたと考えられている。

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