“自閉症に効果的な栄養素”判明か、日常的に摂取できるモノの組み合わせで

2025/12/06 05:41 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


日常的に摂取できる栄養素で、自閉症を改善できる可能性が出てきた。マウスにおける新研究で判明したもので、人間にも有効かもしれないという。

台湾の研究チームが、神経細胞間のコミュニケーションを活性化し、混乱した脳回路を鎮静化、社会的行動を改善するサプリメント「カクテル」の開発を発表。この効果はマウスでわずか7日間で現れたとした。

学術雑誌「PLOS Biology」にはこう記述されている。

「本発見は自閉症スペクトラム障害(ASD)治療における食事療法の有望な新手法を示唆している」

そして「カクテル」に含まれる亜鉛、セリン、分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、筋トレ愛好家に欠かせない成分として知られるが、筋肉増強ではなく、誤作動する神経経路の再起動を目的としている。亜鉛は神経細胞の接続、セリンは神経伝達を促進、そしてBCAAは脳内のシグナル伝達を調整する役割だ。

同研究の共同筆頭著者ミン・フイ・リン氏はこう話す。

「わずか7日間の栄養素混合物投与で、神経回路の活動と接続性がリアルタイムで顕著に調節されるのが観察でき、感激しました」

この栄養素の組み合わせは自閉症のマウスの脳を再構築、過活動なニューロンを抑制し、マウスらに明らかな社会的改善をもたらしたが、それぞれの栄養素を個別に投与しても効果は認められず、3成分の化学的連携の重要性が浮き彫りとなった。

同研究の責任著者シュエ・イーピン氏はこう話す。

「私たちの発見は、低用量の栄養素混合物が、小児期から開始可能で安全かつ、より実用的な長期・広範な適用戦略を提供することを示しています」

自閉症の完全な治療法はまだ無く、人間への治療には不安の緩和、コミュニケーション能力の向上、睡眠の改善に焦点を当てていた。しかし現在、同研究を始め、他のサプリメントベースのアプローチが勢いを増している状況だ。

最近はスペインの研究で、プロバイオティクス(カプセルに入った善玉菌)を毎日摂取することで、自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD)を持つ子供たちの過活動が軽減、身体的な快適さが改善されることが判明した。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.