小田急電鉄は11月17日、2029年3月就役予定の新型ロマンスカーについて、開発コンセプトを「きらめき走れ、ロマンスカー」とし、車両形式は80000形、編成両数は7両に決定したと発表した。

2024年9月に設計へ着手し、開発コンセプトやデザインに関して検討してきた新型ロマンスカー。小田急グループの事業エリアは、多摩川をはじめとした多くの河川、富士山を望む箱根の芦ノ湖、江の島を含む海岸曲線を描く相模湾など、「水」と関連した風景に恵まれていることなどから、人・地域・自然をつなぐ存在であるべく「水」をテーマに開発を進めている。車両開発コンセプトの「きらめき走れ、ロマンスカー」には、陽に照らされ水面がきらりときらめくように、乗るたびに人々の心を動かす瞬間「きらめき」を生み出し、「きらめき」を波紋のように、世代を超え多くの人々に広げていけるような存在を目指したいという思いを込めた。

VSE(50000形)の後継として位置付けている80000形の外観は、ロマンスカーの代名詞ともいえる展望席を設置。この展望席と、その上に位置する運転席を雫のような大型の曲面ガラスで一体的に包む。車体カラーは、水の清らかさを感じさせ、シーンによって見え方・感じ方が変わる「淡い水色」を基調に、車両連結部には「バーミリオンオレンジ」を施すことで伝統を継承する。なお、車体側面(窓下等)には、水面の波紋を想起させる「ゆらぎ」を設け、瑞々しさと柔らかさを表現する。
今後は、この開発コンセプト策定に携わったデザイナー「株式会社COA一級建築士事務所」のほか、鉄道・非鉄道部門を社内で横断して、将来にわたるニーズを追求しながら、沿線の自然豊かな風景との調和や、多様な利用シーンに応える上質な乗車体験の実現を目指した詳細設計に着手するとともに、車両製造に向けた社内手続きも順次進めていくという。