映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」で知られるカナダ人俳優のグレアム・グリーンが、長い闘病生活の末、9月1日にトロントの病院で死去した。73歳だった。

代理人は米メディア・デッドラインに対し、「彼は道徳心、倫理観、そして人格を兼ね備えた素晴らしい人でした。彼は永遠に惜しまれるでしょう」と語っている。
先住民族オナイダ・ファースト・ネーションとカナダ系移民の血を引くグレアムは、オンタリオ州シックス・ネーションズ保護区で育った。映画、テレビ、舞台にわたり数十年のキャリアを築き、ハリウッドにおける先住民俳優の障壁を打ち破ったことで広く知られている。
グレアムは溶接工、製図工、製鉄工などを経て、1983年に「ロンリーウェイ」で映画デビュー。その後、1990年にケビン・コスナー監督・主演の壮大な叙事詩「ダンス・ウィズ・ウルブズ」でスー族の呪術師である蹴る鳥役を演じて注目を集め、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。
以降も、「マーヴェリック」(1994年)、「ダイ・ハード3」(1995年)、トム・ハンクスと共演した「グリーンマイル」(1999年)、「トランスアメリカ」(2005年)、「ニュームーン/トワイライト・サーガ」(2009年)、アーロン・ソーキン監督の「モリーズ・ゲーム」(2017年)など、幅広いジャンルの作品に出演した。
テレビドラマでも活躍し、近年ではシルベスター・スタローン主演の「タルサ・キング」、人気シリーズ「THE LAST THE LAST OF US」、先住民の居留地を舞台にした「リザベーション・ドッグス」などに出演していた。
グレアムはグラミー賞やカナディアン・スクリーン・アワードを受賞。インディペンデント・スピリット賞にもノミネートされており、今年初めにはカナダ総督舞台芸術賞を受賞している。