クリス・コロンバス監督(66歳)が、「ハリー・ポッター」に関して、「作家と作品を切り離す」姿勢を示した。著者のJ・K・ローリングによるトランスジェンダーのコミュニティに対する見解に同意しないためだという。

近年「トランスコミュニティをなだめるために、女性の権利が侵食されている」と発言してきたローリング。これを受けてダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソンらオリジナル映画シリーズの主演俳優らは、トランスジェンダーの人々を支持する発言をし、著者と距離を置く結果となっていた。
一方、ローリング本人はHBO Maxの新シリーズとして、テレビ向けにリブートされる「ハリー・ポッター」で、脚本チームと協力し原作に忠実となるよう取り組んでいるところだ。
そうした中、ローリングの最初の小説2冊を「ハリー・ポッターと賢者の石」「ハリー・ポッターと秘密の部屋」として映画化したコロンバス監督は、ローリングの政治的信念を理由に新作シリーズを敬遠すべきではないとして、作者の生物学的性別の見解に関わらず、物語は依然として楽しめ、存在し得るとバラエティ誌に主張する。
「私はときどきアーティストと作品を切り離すことを好む。それは重要なことだと思っている」
「起きたことは残念だし彼女の主張には全く同意できない。ただ悲しい、本当に悲しいことだ」
「ホーム・アローン」でも知られるコロンバス監督は、自身のバージョンの「ハリー・ポッター」はやり終えたとするも、HBOがホグワーツの生徒たちをどう描くかに注目しているという。
連続ドラマ形式の自由度がない映画では原作の様々な要素を盛り込めず、第1作、第2作、第3作の書籍を全て映像化する予定の新作シリーズを楽しみにしているそうだ。
「(ハリーとハーマイオニーが薬を飲み、毒を盛られたかもしれないと信じる)素晴らしいシーンを映画に収めることは不可能だった。HBOシリーズでは確実に描かれるだろう。私にとって、こうした場面を全て映像化する機会となる」
そんなコロンバス監督も期待するHBO版「ハリー・ポッター」シリーズは7月にシーズン1の撮影がスタート。2027年の配信開始が予定されている。