孫の面倒をよく見る祖父母は、認知症になる可能性が低いことがわかった。高齢期の人々の“実践的かつ社会的な関与”が、認知の健康に有益であることを示唆する最近の研究を後押しするものとなっている。

JAMA Network Openに掲載された今回の研究は、中国の高齢者1万人を対象にしたもので、非親権者であり、かつ定期的に孫の世話をしている祖父母は、記憶や言語、コミュニケーションにおける障害を引き起こす認知症の発症リスクが統計的に低いことが明らかとなった。
研究者はこう記している。
「認知症は差し迫った公衆衛生上の問題であり、中国におけるその負担は大きく、全世界の認知症患者の25%近くを占め社会経済コストも大きくなっています」
「今回の非集中的な世話と認知症発症確率との関連は(体と頭は)使わなければダメになるという仮説を支持するものです。この仮説は精神的、社会的に刺激のある活動、例えば孫との交流などに従事することで、認知予備機能を維持し認知機能の低下を遅らせることができるというものです」