俳優の中村倫也(38歳)と堤真一(60歳)が、「キリン一番搾り 生ビール」の新CMに出演。2月3日より「クレイジーって言われたビール」篇、「贅沢すぎて怒られたビール」篇の放映を開始する。それに伴いインタビューに答え、中村が堤について語った。

今回のCMは、大衆居酒屋やグランピング施設で何気なく飲んだ「一番搾り」の旨さに唸る主人公・中村倫也の姿に、「一番搾り」のおいしさにまつわるエピソードを紹介する堤真一の声(ナレーション)と映像を重ね合わせた2篇。中村が20代前半、堤が40代半ばで初めて出会ってから、公私ともに長い親交がある特別な関係の2人にとって、記念すべきCM初共演だ。

撮影後のインタビューで、「堤さんと出会った頃の印象的なエピソードをお聞かせください」と聞かれた中村は「22歳の時、三軒茶屋で舞台が終わった後、みんなで飲みに行って、堤さんと僕がスタメン、あとは来られる人みたいな感じだったんですけど、そこで堤さんから『大丈夫だから』と言ってもらって、すごく安心して、もうちょっと希望を持っていてもいいのかなと思ったことを覚えています。堤さんからもらった『大丈夫だから』という言葉はすごく大きいんですよ。その後、歌詞を作る時や、エッセイを書く時、『大丈夫』という言葉を結構使っているので、人生で先輩からもらったギフトのような感覚です。だから、そういう悩める若者と仕事の話をして、相談に乗ってくださいみたいな時に、今の自分は当時の堤さんと近い年齢になってきていて、『大丈夫』という言葉に込められた想いとか、真心みたいなものを受け継いで、若い世代に渡していくターンになっている気がします」と語る。
また、中村から見た堤の印象を聞かれると、「とても優しい人です。イメージ的に最初はちょっと寡黙で、ぶっきらぼうな方かなと思っていたら、関西弁でペラペラペラって喋ってくれるし、端っこにいる僕みたいな無名の若手にまで、『飲み行くか?』と気さくに接してくださる方なので、言い方が難しいんですけど、僕にとっては芸能界、俳優界の親父的存在というか。その後も、仕事でご一緒したり、自分の芝居を見に来てくださったりして。以前、3時間怒り続けるというすごくしんどい役をやっていた舞台を堤さんが見に来てくださった後、ご飯に連れて行っていただいたんです。そこでたくさんごちそうになって、『もうお腹いっぱいです』と言っているのに、堤さんは『最後におにぎり食っとけ』『お前は今、食うことが一番大事だから』って。そういう感じで見守ってくれているところが、少し今回のCMにも通ずるところがあったというか。でも、そういう自分の知らないところで、こんな気にかけてもらっていたんだとか、見てくれていたんだみたいなことってあるじゃないですか。僕にとって堤さんはその象徴的な方だし、それを言語化すると、親父的存在という言い方になるんですよ。本当は『兄貴』の方が良かったのかな(笑)。でも、ちょっと古風なところもあるし、そういう生きざま、背中を僕は見てきているので、やっぱり『親父』なんですよね」とコメント。
続けて「堤さんに中村さんのクレイジーなところを伺ったところ、『ぶっ飛んだお芝居は本当にぶっ飛ぶ』『アホなことをやらせたら、いっぱいクレイジーなことをやる』とおっしゃっていました」と伝えられた中村は「今度そういうCMを作りましょう。でも、俳優としての僕のそういうところを見てくださっている証拠ですよね。堤さんも役を演じる時、自分の持っているものと違う部分にアプローチして、見てくださる人に説得力を持って届けていらっしゃるので、同じ芝居をつくり出す者として、という意味では、堤さんもクレイジーですよ。言い方が難しいですけど、普段の堤さんは割とヘラヘラしているんですよ。いい意味で(笑)。それもすごくかっこいいなと思うポイントなんですけど、みんなどこかしらクレイジーな部分がないと、なかなか表に立つ仕事は難しい気がします。自分もいたって常識人だと思っていますが、人から見たら変人なんだろうなとか、そんなふうに思いながら生きていますから」と語った。
また、「堤さんに、中村さんと『一番搾り』を飲むなら、どんなシチュエーションでどんな話をしたいかと伺ったところ、『家にある薪ストーブの前で一緒に飲みたい』とおっしゃっていました」と伝えられると、中村は「僕も同じことを考えていました。昔よく忘年会をやられていて、ご自宅に3回ぐらいお邪魔させてもらったことがあるんですよ。堤さんがその年にお世話になった人とか、昔からの連れとかがたくさん集まって、みんなで鍋を食べたりして、『良いお年を』ではなく、年を越してから『おめでとう』と挨拶して帰るみたいな。ここ最近、誘っていただくことはあっても、行けていなかったので、久しぶりに行きたいなと思っていました。子どもとも遊びたいし、薪ストーブがあるんですね。堤さんは登山が好きだった印象があって、そのきっと延長でキャンプとか薪ストーブなのかな。そういえば以前、堤さんが薪を割って指を怪我したという記事を見たので、危ないから僕がやりますね(笑)」と笑う。
さらに「堤さんは、もし中村さんと共演するなら『シリアスな作品がいい』とおっしゃっていました」と伝えられた中村は「出会った頃から20年弱の時を経て、堤さんとビールのCMを一緒にやっているなんて、当時は夢にも思っていなかったので、今回だけでもかなりムネアツですが、またやろうと言ってもらえるのは何よりうれしいです。シリアスな作品なら、二人芝居がいいんじゃないでしょうか。舞台で海外の翻訳モノとか」と提案。
最後に堤から中村へ「ご結婚なさったということで、一緒にうちへメシを食いに来てください」「うちの子どもとも遊んでやってください」というメッセージが届けられると、中村は「ありがとうございます。うれしいです。60歳になられたということは、僕と初めて会った時は45歳だったんですね。以前、僕が役で歌っていた同じ歌を、堤さんのお子さんが歌っている動画を送ってくれたんですけど、それがすごくかわいくて。『一緒に歌おうね』と返した記憶があるので、今日行きます(笑)。撮影が終わったら、電話してみます。よろしくお願いします」と語った。