お笑いコンビ・EXITの兼近大樹(33歳)が、10月10日に放送されたニュース番組「ABEMA Prime」(ABEMA)に出演。“言葉の力で社会は変えられる?”について、自身の考えを語った。
番組は今回、SNSなどで短文のコミュニケーションが主流となる現代で、“言葉の力”で社会は変えることができるのか? を考えていくことに。
番組MCを務めるEXITのりんたろー。は「自分の気持ちを1番伝えることができるのは、文字だと思っている」とコメント。その一方で、「いろんなコンテンツで発信して“バズる投稿”を試しているけど、今の時代のそれは行き過ぎた発言や意地悪なもの。誰かを気遣って、言葉の表現を柔らかくすればするほど、声が届かなくなっていくと思うこともある」と話した。
また、「本当は言いたいことがあるけど、オープンな空間で発信したらその反響で嫌な思いをするかもしれないから、応援してくれる人だけが見られる空間に限定することもある」と明かした。
相方の兼近大樹は「まさに『言葉の力で社会を変えられることもあるのでは?』と思い、本を書いた」と、2021年に出版した小説「むき出し」を振り返り、「小説の中で『貧困層と富裕層だけではなくて、貧困層と中流層の分断もある。そして、それがすごく難しい』ということを描いたけど、僕が思っていたよりもこれが伝わらなかったなって……。文字で伝えたいことはたくさんあるのに、伝えきれないことを実感した」と発信することへの苦悩をにじませた。
また、エッセイの力で社会変革のムーブメント醸成を目指す、Z世代の女性向けエッセイ投稿メディア「かがみよかがみ」を紹介。「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトとしており、様々な抑圧に抵抗する意味合いが含まれている。これに、兼近は「僕の人生のコンセプトと真逆だ」と驚きの声。この理由を「僕は小さい頃から『社会がおかしい。俺は悪くない』と思いながら生きていて、とても苦しかった。だけど、ある時から『俺もちょっと変わる、社会もちょっと変われ』と考え方を変えたら、物事が上手くいくようになって生きやすくなった」と打ち明けた。
さらに兼近は「今の時代は男女や世代など、様々なところで分断が起きていて、それを煽れば煽るほど議論が盛り上がるという悪循環に陥っている。議論の中には、同じような意見や立場の人でもお互いの真意に気づけなくて言い合っていることもある。それは対話する機会が少なかったり、文章を正しく読めていなかったりすることが原因なのでは? 『かがみよかがみ』などのエッセイを通じて、SNSの短文ではなく、しっかり文字を読んで相手への理解を深めていけば、社会の分断も減っていくと思う」と話した。