マット・デイモン(52歳)は、「ボーン」シリーズを最後までやり遂げるために、「アバター」の出演オファーを断ったことを後悔していないという。
2009年の同SF大作を監督したジェームズ・キャメロンとの仕事を「切望」していたマットだが、サム・ワーシントンが抜擢されたジェイク・サリー役を断ったことで、2億5000万ドル(約354億円)のギャラを逃したとされている。
米放送局CNNのインタビューで、マットはこう語っている。
「これまでで最も高額な辞退だと思うよ。契約があったんだ。僕は『ボーン』映画の撮影真っ最中で、最後に仕事が必要になることはわかっていた。(もしオファーを受けたら)撮っていた映画を早々に切り上げなければならないし、友人である他のスタッフたちを窮地に置き去りにしていかなければならない。それはしたくなかったんだ」
「キャメロンと一緒に仕事がしたかった。彼はめったに仕事をしなかったからね」
「ボーン」シリーズ5作で主人公ジェイソン・ボーンを演じてきたマット。「アバター」を断ったことを俳優のジョン・クラシンスキーに話したことがあるそうで、宇宙ステーションを持てるほどの金持ちになっていただろうことを除けば、この映画を引き受けていても何も変わらなかったと考えているという。
もし「アバター」が史上最大の興行収入を記録すると知っていたら、「ボーン」シリーズを後回しにしていたかと問われ、マットはこう答えた。
「ジョン・クラシンスキーに言ったんだ。昔、『プロミスト・ランド』っていう小さな映画を書いてたんだけど、土曜の朝、キッチンで休憩していたんだ。僕が『アバター』のことを話すと、ジョンは椅子から飛び出した。キッチンを歩き回り始め、『OK、わかったよ。もしあの映画をやっていたって、君の人生は何も変わっていなかっただろう。僕らは同じ男のままで、ただ宇宙ステーションでこの会話をしてるぐらいの金持ちになっていただけさ』って言われたんだ」
「アバター」の興行収入の10%を提供すると提示されていたデイモンは5月、「エンターテイメント・ トゥナイト」で、同作の出演を断ったことについて、「俳優として最も愚かなことだった。たぶん50ぐらいの映画に出たけど、10億ドル(約1414億円)を稼いだ映画には出演したことがないよ」と語っていた。
一方の同作主演俳優のゾーイ・サルダナ(ネイティリ役)は「選ばれたこと、一生懸命働いたこと、オーディションに受かったことを、いつも恵まれていると感じている。私はマット・デイモンじゃないから『アバター』を断ったりなんかしないわ」と語っている。