アカデミー賞4冠「ノーカントリー」の原作者が死去

2023/06/15 06:25 Written by ナリナリ編集部

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米作家のコーマック・マッカーシーが死去した。89歳だった。ピューリッツァー賞を受賞し、小説「ノー・カントリー・フォー・オールド・メン」がコーエン兄弟により映画化され、アカデミー賞に輝いていたマッカーシーが6月13日、ニューメキシコ州サンタフェの自宅で息を引き取ったことを、出版社ペンギン・ランダム・ハウスからの声明を通して、息子ジョン・マッカーシー氏が伝えた。

約60年にわたるキャリア通して12の小説を発表、2009年にアメリカン・フィクションへの貢献を称えられ、フィリップ・ロスに続いて史上2番目にPEN/ソール・べロー賞を受賞したマッカーシーは生前、自身の小説がしばしば暴力的な内容であることについて「命と死が関わっていなければ、興味がない」と語っていた。

弁護士を父に持つマッカーシーは、4歳の時にテネシー州に移り住んだ。チャールズという名前だったものの、アイルランドの王にちなんでコーマックと改名、大学を中退して執筆活動に専念した。最初の小説「果樹園の守り手」は、60年代マッカーシーがシカゴの車部品販売店で働いていた時に執筆したものだ。

ジョエルとイーサン・コーエンによるトミー・リー・ジョーンズ主演の「ノーカントリー」は、サディスティックな連続殺人魔を演じたハビエル・バルデムの助演男優賞を含む、アカデミー賞4部門を受賞する成功を収めた。

2007年には、近未来の荒れ果てた大地を旅する父と息子の姿を描いた「ザ・ロード」でピューリッツァー賞を受賞、同作はその後、ヴィゴ・モーテンセン主演で映画化されている。

田舎を舞台にしていることや、殺伐としたバイオレンスが描かれていることから、しばしばウィルアム・フォークナーと比較された作品群が高く評価されていたマッカーシーは生前、ロックフェラー財団を含む多くのフェローシップを授与されていた。

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