「エブエブ」がアカデミー賞“圧勝”、作品賞など最多7部門受賞

2023/03/13 16:20 Written by Narinari.com編集部

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ゴールデングローブ賞含む名だたる賞レースを542ノミネート、308の最多受賞で偉業を達成してきた、今年最大の話題作“エブエブ”こと「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」。3月13日に行われた第95回アカデミー賞の授賞式では、作品賞含む最多7部門で受賞、まさに圧勝の結果となった。

今年のアカデミー賞で、「エブエブ」は作品賞のほか、監督賞(ダニエルズ)、脚本賞(ダニエルズ)、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)、助演女優賞(ジェイミー・リー・カーティス)、編集賞の計7部門受賞。

作品賞、監督賞、脚本賞のトリプル受賞の快挙を果たしたダニエルズは「監督には沢山の人々の協力が必要です。全てをかけてこの作品に尽くしてくれたキャスト、映画のすばらしさを教えてくれた移民だった両親、兄弟、友人、僕たちの仕事をサポートしてくれる全ての人達、一人一人の才能が天才的な存在になりうるんです。アカデミーの皆さん、我々にとって素晴らしい賞をありがとうございます!」と興奮で息を切らしながら喜びを爆発させた。

ミシェル・ヨーは今回の受賞で自身初にして、アジア人史上初となる主演女優賞受賞という偉業を達成。ミシェルは受賞スピーチにて「これを見ている全ての子供たちへ、このアカデミー像は希望の証です。夢は実現するということの証です。この映画を私の母、そして世界中のお母さんたちに捧げます。あなたたちはスーパーヒーローです!」と力強いメッセージと受賞の喜びを語った。

そして、本作で感動的な俳優復帰を果たしたキー・ホイ・クァンも助演男優賞を受賞。1985年、カンボジア人のハイン・S・ニョール以来38年ぶりのアジア系の俳優としての受賞となる。キーは「僕の旅は難民キャンプから出航するボートから始まりました、そして今僕はハリウッドの最大の舞台にたどり着いた。映画のような話ですが、これが僕の人生なんです。これこそがアメリカンドリームなんです。夢は信じなければ実現できない。皆さんも夢をあきらめないで!!」と涙ぐみながら感謝を述べた。

さらにジェイミー・リー・カーティスもキャリア45年目、悲願の助演女優賞を獲得し、「みんな黙って45秒しかないの。私はいい子だからちゃんと時間を守るのよ」と余裕のジョークを飛ばしつつも最後には「この作品に関わっているダニエルズ、ジョナサン、クルー、ミシェル、キー、スタッフ、すばらしいアーティストの方へ、ついにオスカーを獲りました。ドリームチームです!」とオスカー像の感触を確かめながら、天を仰ぎ喜びを噛み締めた。

計7部門を果たした本作。1作品で7部門以上の受賞は、2014年のアカデミー賞で同じく7部門受賞を果たした「ゼロ・グラビティ」以来となる。さらに本作は、あらゆる賞レースの受賞数とノミネート数で歴代トップであった「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」(189ノミネート/127受賞)の記録を20年ぶりに打ち破るという快挙も果たした。

会場では歌曲賞にノミネートを果たした本作の主題歌「This Is a Life」を劇中衣装を纏ったステファニー・スーと作中印象的に登場した、ソーセージフィンガーを装着したデヴィッド・バーンがSon Luxをバックバンドに生パフォーマンスも披露するなど、本年度はまさに「エブエブ」一色に染まったアカデミー賞となった。

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