もやし業界大ピンチ、物価高騰でも価格上げるのが難しい理由

2022/12/05 15:53 Written by Narinari.com編集部

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タレントの千原ジュニア(48歳)が、12月4日に放送されたニュース番組「ABEMA的ニュースショー」(ABEMA)に出演。“物価の優等生”もやし業界の窮状を知り、「ほぼ値上がりしてるのに、もやしは…」と唖然とした。

番組はこの日、さまざまなモノが値上げされる中、値段据え置きで販売を続ける“もやし”に着目。物価高騰が相次ぐ中、もやしはその逆を進み、約30年前は40円だった小売価格が、現在は30円に値下がりしていることを紹介した。一方で、もやし生産者協会は「安さばかりを追求していては、もう続けて行けない状況です」と新聞に全面広告を出すなど、SOSを出さざる得ない状況。それらについて、もやし生産者協会理事長の林正二さんに話を聞いた。

林さんは「もやしの水やりには重油を使う。1回の水やりで約14トンの水を使い、それを1日6回行うので、石油高騰が大きな痛手。さらに、原料の緑豆の価格高騰し、約4倍まで上がっている。ダブルの価格高騰で非常にピンチに陥っているため、全面広告を出した」と窮状を訴えた。

番組MCを務めるジュニアは「これだけすべてと言っていいくらい値上がりしているのに、小売価格は下がってるんですね」と唖然。さらに、もやしが低価格を維持しているワケについては「スーパーの野菜売り場で1日の買い上げ点数が多いのはもやし。お店側としては、お客さんが買ってくれる商品は1円でも安くしたい気持ちがある。そして『この店はもやしが安くて買いやすい。他の商品も安いかな?』というイメージをお店に持つので、生産者の状況を理解していても、小売単価を上げるのは難しいようだ」と解説した。

この話を聞いたジュニアは「もやし業界を救うために何が必要だと思いますか?」と尋ねると、林さんは「今のもやしの価格は正常ではないと理解していただくことが重要。もやし生産者は利益がないし、小売店も利益を削って販売している。正常な価格になった時でも、引き続きもやしを買ってもらいたい」と呼びかけた。

ジュニアは「よく考えたら、異常な値段ですよね」と理解を示した一方で、「『もやしは安い。30円で買えるものだ』と刷り込まれているから、これを頭の中から取っ払うことは難しい」と思い悩む様子で応じたが、コーナーの終盤では「ジンギスカンのもやしってなんであんなに美味しいんやろ!? 微力ながら、もやしをたくさん食べさせていただきます」と明るく宣言して締めくくった。

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