ゼレンスキー大統領、米グラミー賞でスピーチ

2022/04/05 02:41 Written by Narinari.com編集部

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ウクライナのゼレンスキー大統領(44歳)が、今年のグラミー賞でスピーチを行った。

2月末に始まった、ロシアのプーチン大統領による軍事侵攻に現在も苦しんでいるウクライナ。ゼレンスキー大統領は、事前録画されたビデオメッセージで登場し、音楽は戦争の「反対」であると主張、ライブイベントで放映されたビデオでこう話した。

「戦争。音楽に対してそれ以上反したものに何があるでしょう? 廃墟と化した都市と殺された人々の沈黙。私たちの子供達は、流れ星ではなく、急降下するロケット弾を描きます。400人以上の子供達が負傷し、153人の子供達が亡くなっている。もう彼らが絵を描いている姿を見ることはありません。親たちは防空壕の中で朝を迎え、しかし生きていることに喜びを感じています。愛する人たちと再び一緒に居られるかどうかわからない状況です。戦争は、誰が生き残り、誰が永遠の沈黙の中に留まるのかを私達に選ばせてくれません。私達のミュージシャンは、タキシードの代わりに防護服を着ています。彼らは病院で負傷した人々に向けて歌っています。それを聴くことができない人にもです。それでも音楽は心に伝わります」

字幕付きの映像の中で、ジョン・レジェンドによる歌「フリー」を紹介していたゼレンスキー大統領は視聴者に対し、いつの日か紛争が終わり、自分の国が「自由」になることを夢見ながら、同国が直面している「死んだような沈黙」を音楽で「満たして」ほしいと訴えた。

さらに「私たちは自由を守る。生きるために。愛するために。音を響かせるために。私たちはこの地で、爆弾で恐ろしい沈黙をもたらすロシアと戦っています。死んだような沈黙。あなたの音楽でその沈黙を満たして下さい! 今日、私たちの物語を伝えるために満たして下さい。戦争の真実をソーシャルメディアやテレビで伝え、出来る限りの方法で私達を支援してください。沈黙はしないでください。そうすれば、戦争が破壊している私たちの全ての都市に平和が訪れるでしょう。チェルニヒフ、ハリコフ、ヴォルノヴァーハ、マリウポリ、その他。これらはすでに伝説となっている。しかしこれらの都市が生きる事を夢見ています。そして、自由になる事を。グラミー賞のステージに立つあなた達のように自由になる事を」と続けた。

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