ウクライナ取材中の監督、トラウデンに“戦争の恐ろしさ”伝える

2022/03/18 22:50 Written by Narinari.com編集部

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モデルでタレントのトラウデン直美(22歳)が3月18日、アンバサダーを務める「TBSドキュメンタリー映画祭2022」(3月18日〜24日/ヒューマントラストシネマ渋谷)の初日に上映された、「戦争の狂気 中東特派員が見たガザ紛争の現実」上映後の舞台挨拶に登壇した。

同作は、紛争が激化するガザを実際に歩き、市民の証言から浮かび上がる戦争の残酷な現実に迫るドキュメンタリー。作品を鑑賞したトラウデンは「今の世の中の状況を考えると、言葉にするのが難しい複雑な思いがあります。住人の方々は日常と非日常が入り混じった恐怖の中で明日も生きていかなければいけない……。これはどんなに頭で考えて心で理解をしようとしても追い付かない。瓦礫の中で生きていかなければならない人たちがいるという事実が、自分の心に衝撃として襲い掛かってきました」と沈痛な面持ち。  

また、同作の須賀川拓監督が、現在の取材先であるウクライナ南部の都市オデッサからリモートで参加。ヘルメットに防弾チョッキ姿の須賀川監督は、都市オデッサの様子について「街の姿は至って平常運転で緊迫感はありません。しかし、大通りに繋がる道には土嚢が詰まれ、バリケードが敷かれています」と街の状況をリポート。「戦争の足音は近づくけれど、街の人々は直前まで普通の生活をしている。その場が戦場になるのかは0か100か。砲弾が飛んで来たらそこが戦場になるのです」と日常を一瞬で破壊する戦争の恐ろしさを伝え、トラウデンは言葉を失った。

そして「戦争の狂気 中東特派員が見たガザ紛争の現実」についてトラウデンは、「瓦礫の近くで遊ぶ子供たちの姿が印象的」とショックを受けたことを明かすと、須賀川監督は「人の死があまりにも身近になってしまい、それに慣れてしまう。命の値段は同じだが、紛争状態にいると心が感じなくなってしまう。それが戦争の恐ろしさ」と解説した。

さらに、須賀川監督はトラウデンから「戦地で取材を続ける理由とは?」と聞かれると、「戦争は始まったときには注目されるが、停戦や終戦を迎えると人々の興味は次の話題に移る。しかし、戦争とは終わってからが本当の地獄の始まり。戦地の住人たちの姿を伝えることで支援に繋がればという思いで取材をしています。カッコいいことを言うのではなく、現地の人の姿や声を伝えていきたい」とポリシーを口にした。

最後にトラウデンは「監督からの貴重なお話を聞きながら、不思議な気持ちになりました。センセーショナルに扱ってしまうのは、実は私たちの方ではないか?と…。 作品から、そして今日お話いただいた内容から、自分の中での反省と共に考えることが沢山ありました」と学びを実感していた。

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