EXIT兼近大樹、“事件報道の在り方”を考える

2021/09/04 13:45 Written by Narinari.com編集部

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お笑いコンビ・EXITの兼近大樹(30歳)が、9月2日に放送されたニュース番組「ABEMA Prime」(ABEMA)に出演。容疑者の“趣味情報”を報じ、動機に結びつけるような報道に危機感を募らせた。

番組はこの日、女子高生遺棄事件について、容疑者の趣味とされる“アニメやバ美肉”を動機と紐づけるかのように報じたメディアについて、その影響を考えることに。

兼近は「容疑者が『アニメを見て、真似したくなって犯行に及びました』と供述しているのであれば、まだ百歩譲って『アニメが原因の可能性がありますよ』と言えるけど、そのように言っていないですよね。勝手な憶測で『アニメ好き』とだけ貼り付けてしまうことは、完全にラベリングだと思う」とコメント。

また、今回の報道について「個人の趣味趣向に対する差別を扇動するだけでなく、自己表現の形としての性の多様性を侵害する」と声明文を出したNPO法人バーチャルライツ理事長の国武悠人さんは、“アニメ好き”と併記して報じられた「バ美肉」について、「ゲーム上やVTuberの活動などで、美少女のアバターをかぶり、なりきって自分を表現すること」と解説。

脳科学者の茂木健一郎氏は「理解していない、分からないものに対して人間の脳は不安になる。『何それ?』って不安なものに対して、それが原因なんじゃないかと思うバイアスがある」と脳科学の視点から指摘した。

兼近も「新しいものに対して嫌悪感を示したり、攻撃したがったりする文化があると普段から感じている。この『バ美肉』だって素晴らしいものだけど、それを知らないから=危ないものとして扇動しているように思う」と危機感を募らせた。

こうした事件報道の在り方について、兼近は「見出しだけで物事を判断する人が多い。中身を読まずに、見出しの印象だけで感じたものは一生残ると思う。芸能人の記事も同じことが言えて、見出しに名前が登場したら『こいつなんかやらかした人でしょ』って、ずっと記憶に残り続ける」と警鐘を鳴らした。

プロデューサーの若新雄純氏も「報道の手法について、今まさに岐路に立っていると思う。記者は『このストーリーだったら読みやすいだろう』と押し付けるのではなくて、読者がじっくり知ろうとする仕掛けを作っていかなければならないのでは」と問題提起し、茂木氏も「ファストニュースじゃなくて、スローニュースが本当に大事なんだと思う」と同意した。

兼近は最後に「見る側・聞く側・読む側がしっかりと判断して、『どういうことだろう?』と考える力を作っていかないといけない。自分より下の世代にも、『報道をどう受け取るかも大事だよ』と、伝えていきたいと改めて感じましたね」と、改めて自身の考えを述べた。

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