「Quick Japan」8月発売号はお休み、小山田氏問題で

2021/08/04 15:49 Written by Narinari.com編集部

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太田出版は8月4日、「Quick Japan」の8月発売号をお休みすると発表した。

同誌は1995年に発売した「Quick Japan 第3号」に、「いじめ紀行」シリーズ第1弾としてミュージシャン・小山田圭吾氏のインタビュー記事を掲載。そこに書かれた凄惨ないじめの記述が大きな批判を浴び、小山田氏は東京五輪開会式の作曲担当を辞任するに至ったが、当時誌面に掲載した「Quick Japan」編集部にも批判が殺到し、7月19日に同社の社長名義で謝罪文を発表していた。

そして8月4日、同社公式サイトに掲載された「Quick Japan 8月発売号 お休みのお知らせ」では、「Quick Japan編集部としましても、表現方法、記事の影響についての思慮そして配慮が足らないままに世に出たことにより、差別を助長し被害者の方をはじめ多くの方を傷つけたことを改めて深くお詫び申し上げます」とした上で、「編集部として今回の事態を真摯に受け止め、今後二度とこうしたことを繰り返さぬよう編集体制の見直しが必要と判断しまして、『Quick Japan vol.157』の8月の発売をお休みいたします」と説明。

続けて「この期間に、編集部としてのチェック体系の強化を行うとともに、編集部員それぞれが差別と社会問題に対する理解を深めてまいります。こうした対応を行いながら、今回のような問題が起こらないよう、編集部が日々の活動の中で不断に検討し、振り返りながら誌面を制作していく所存です」としている。


☆『Quick Japan 第3号』掲載の小山田圭吾氏記事についてのお詫び(2021年7月19日付)

1995年刊『Quick Japan 第3号』は「いじめ紀行」というシリーズの第一弾として小山田圭吾氏へのインタビューをもとにした記事を掲載しました。この記事が、表現方法、記事の影響についての思慮そして配慮が足らないままに世に出たことにより被害者の方をはじめ多くの方を傷つけたことを深くお詫びします。

「いじめ紀行」は、取材者自身がいじめられた体験があることから、いじめられた側だけでなくいじめた側からも話をきくという趣旨で「いじめた側といじめられた側の対談」として当初発案されたものでした。この第一回で小山田圭吾氏は自身の体験として障がいを持つ方へのいじめを告白しています。

現在、この小山田圭吾氏の一連のいじめ体験についての告白が大きな批判を受けています。当時のスタッフに事実・経緯確認を行い、記事を再検討した結果、この記事が被害者の方を傷つけるだけでなく差別を助長する不適切なものであることは間違いないと判断しました。この検討は出版後26年を経てのものであり、この間、2012年にはいくつかの号が復刊される機会があり、この第3号も100部の復刊を行っています。最初の出版段階での判断のみならず、その後再検討のないまま時が過ぎたことも、出版社としてその姿勢が問われるものであると考えます。

今回の反省は、継続的に今後の出版活動を顧みる機会とするべきと考えます。『Quick Japan』のみならず、弊社の出版活動全体を改めて再検討し、その都度振り返ることにより同じことを繰り返すことがないように努力してまいります。

2021年7月19日
太田出版社長・岡 聡


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