ユーキャンは12月2日、残り1か月となった2020年の振り返りと2021年のトレンド予測、資格取得に関する意識調査の結果を発表した。調査の結果、2021年注目の出来事には「アメリカ大統領就任式」「オリンピック・パラリンピック開催」「東日本大震災から10年」などが、2021年武器になる資格には3年連続で「TOEICテスト」が選ばれた。
この調査は、「現代用語の基礎知識」選 2020ユーキャン新語・流行語大賞発表のタイミングにあわせ、20代〜50代の男女430名を対象に実施したもの。
まず、「2020年に起きた出来事のうち、印象に残ったものは何ですか」と質問したところ、新型コロナウイルス関連の出来事では、1位「緊急事態宣言が発令」(62.6%)、2位「夏季オリンピック・パラリンピックの開催延期が決定」(60.0%)、3位「クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に停泊」(55.6%)、4位「志村けんさん、岡江久美子さんが新型コロナウイルス感染による肺炎で死去」(55.3%)、5位「10万円の特別定額給付金が給付」(51.6%)という結果になった。
過去例のない緊急事態宣言の発令をはじめとして、昨年の調査で「2020年話題になりそうなこと」1位になった夏季オリンピック・パラリンピックが中止になったり、著名人の新型コロナウイルス感染が報じられるなど、予想外の出来事が強く心に残った様子がうかがえる。上位5つには新型コロナウイルス感染拡大初期の出来事ばかりが選ばれ、印象に残ったと回答する人もそれぞれ半数以上を超える結果となった。先行きが見えない未曽有の事態に直面した日々が、人々の記憶に強く残っているようだ。
一方で、新型コロナウイルス関連以外で印象に残った出来事を聞いたところ、1位「俳優の三浦春馬さん、竹内結子さんが急死」(52.1%)、2位「イギリスがEUを離脱」(30.0%)、3位「山手線新駅、高輪ゲートウェイ駅が暫定開業」(29.8%)、4位「将棋の藤井聡太七段が棋聖位を獲得」(28.4%)、5位「自民党の菅義偉総裁が第99代首相に指名」(25.1%)という結果に。新型コロナウイルスのインパクトが大きかった年ではあるが、著名人の相次ぐ死去も強い印象を与えたことが見て取れる。
次に、2021年に話題になりそうなことを聞いたところ、文化・スポーツ・エンタメ・自然/科学技術関連では、1位「夏季オリンピック・パラリンピックが東京で開催」(44.4%)、2位「『SUPER NINTENDO WORLD』がユニバーサル・スタジオ・ジャパン内にオープン予定」(18.6%)、3位「日本初の都市型ロープウェイ『YOKOHAMA AIR CABIN(仮称)』が開業」(17.0%)が上位となった。今年開催予定だったイベントや、オープン予定だった施設に改めて注目が集まっているようだ。
一方、政治・経済・社会関連では1位「アメリカ大統領就任式」(41.4%)、2位「東日本大震災から10年が経過」(29.3%)、3位「大学入試センター試験の後継である、大学入学共通テストが初めて実施」(17.9%)という結果に。2021年は体制や制度の変化はもちろん、東日本大震災から10年、アメリカ同時多発テロから20年の節目の年でもあり、改めて話題になるのではと予想する声が見られた。
2021年のトレンド予測を踏まえた上で、「2021年に取っておくと武器になると思う資格は何だと思うか」と質問したところ、1位「TOEIC(R)テスト」(17.2%)、2位「ファイナンシャルプランナー(FP)」(16.3%)、3位「マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)」(14.2%)という結果に。上位3つの資格は昨年実施した調査と全く同じ結果で、特に1位の「TOEIC(R)テスト」は3年連続のトップとなった。
武器になると思うと回答した人からも「英語はもう基本」(29歳・女性)、「どんな業種でも国内外とかかわる会社であれば、戦力とみなされる」(31歳・女性)など、基本となるスキルとして英語が認識されている様子がうかがえる。
また、毎年調査している「資格の取得や自身のスキルアップについて興味があるか」という質問に対しては、「とてもある」(24.2%)、「少しある」(37.7%)と、例年通り6割ほどの人がスキルアップに興味ありという結果になった。
「今後、新たな資格を取得したいか」という問いに対しても、「とても取得したい」(22.3%)「どちらかというと取得したい」(40.0%)と多くの人が資格取得に意欲的であることがわかった。これまで以上に先が見えない時代だからこそ、資格取得やスキルアップへの関心は今後も続いていくことが予想される。