車いすアイドル・猪狩ともかの“前向き思考”

2020/08/15 15:14 Written by Narinari.com編集部

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アイドルグループ・仮面女子の猪狩ともか(28歳)が、8月13日に放送されたニュース番組「ABEMA Prime」(ABEMA)に出演。2018年に不慮の事故で負ったケガで、下半身不随となった猪狩が、車いすでの生活を余儀なくされながらもアイドルとして活動する上での葛藤や、“前向き思考”で生きていくための決意を語った。

事故からわずか4か月後には所属する仮面女子のコンサートに復帰し、現在では「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会」のメンバーとして、「パラ応援大使」(パラスポーツ・バリアフリー応援大使)に任命されるなど、活動の幅を広げる猪狩。

お笑いコンビ・EXITのりんたろー。は、「こういうマインドって見習うべきものだと思うんですけど、頭でこれが正解だと理解していてもなかなか実行できない気がしていて。それをご自身でポジティブに変換して実行されているのがすごいし、強い方だなと思いました」と敬意を示し、兼近大樹も「諦めないで“何かをやる”という事を、身をもって見せてくれてる訳なので、これを見とけば、自分自身もめちゃくちゃ頑張れるんだろうなと思います」と語った。

念願のアイドルになった直後に、事故に遭ってしまった猪狩は、著書「100%の前向き思考」の中で、当時の状況を赤裸々に告白。進行を務める平石直之アナから「『意識が無くならずに痛みに耐え続けるしかなかった』などの文面を読んでいて本当に痛みが伝わってきたんですけど…いま改めてどんな風に思っていますか?」と問われた猪狩は、「あの時は、『なんで私、意識無くならないんだろう!?』って思いました。ドラマとかでよく見るじゃないですか? 『目が覚めたら病院にいた』みたいな。そういうイメージだったので、救急搬送されるまでの事故当時は『いつ意識なくなるの?』という感じでした」と明かした。

その後、頭部挫傷・骨折・脊椎損傷などの大けがにより、車いすで生活する事になりながら、事故の1か月後にはファンへ「私は生きています。このことだけは何にも代えることのできない神様からのプレゼントだと思っています」という、前向きで力強いメッセージを送った猪狩。その強さの源を問われると「本当に沢山の方が応援して下さって。『ずっと待ってるからね。いつでもステージに戻ってきてね』と言ってくれる方が沢山いたという事が、私にはすごく力になっていて。それが全てだと思います」と、ファンからのメッセージに勇気づけられたと打ち明けた。

また、下半身不随という現実とどう向き合ったかを問われた猪狩は、「兄から『車いすに乗ってても、人を幸せにしたり元気づける事はできるよ』と言ってもらえて。それが大きなきっかけになったと思います。また、現実を知る前からアイドルに戻る以外の選択肢しかなかったし、最初から戻る気でした」と、アイドル活動に復帰するに至った経緯を明かした。

猪狩の話を受けて、アイドルグループSKE48の元メンバーでフリーアナウンサーの柴田阿弥が、「当時、事故をニュースで見た時は驚きましたし、今こうやって直接会ってお話をすると、私には想像できないような辛い事とか大変な事があったと思うのに『本当に強い方だなぁ…』と思って。やっぱり人に元気や勇気を与えるのがアイドルだと思うので、猪狩さんは“真のアイドル”だと思って、今お話しを聞いています」と、猪狩さんのアイドルとしての生き方を称賛した。

一方で、車いすで暮らすことで分かった新たな“発見”があったといい、「まさに今の時期ですと、アスファルトの照り返しがめちゃくちゃキツくて。ベビーカーは危険だとよく言われていますが、車いすもそれと同じで。一瞬外にいるだけでもすぐに具合が悪くなるので、そういうのは自分が車いすに乗らなければ分からなかったことです」と語る。

これを聞いたりんたろー。は「僕ら『37 seconds』っていう、車いすの女性を題材にした映画のプロモーションをやらせてもらって。その時に、渋谷の街を兼近が車いすで移動する体験をしてみたんですけど、僕らが普段何気なく歩いてるちょっとした坂が『こんなにも辛いんだ!』って。その映画、冒頭は満員電車のシーンから始まるんですけど、普通に立っている健常者の皆さんが、すごく壁の様に映るように撮っていて。それが、『すごく隔たりのように感じるのかな?』と感じました」と話すと、実際に車いすを体験した兼近は、「キツかったですね。あと1番僕が嫌だったのは、通常の道路でも進みにくいのに、ちょっとお洒落にレンガ調になったりしている道があるじゃないですか。普通に歩いてる時は『洒落てんな、この道』って思いながら颯爽と歩いてた道が、『うわ!まじか…』ってぐらい進みにくいんです。だから、『お洒落にこだわって、こんなにキツイ状況があるんだな…』とか、そういう絶対に見えてこないものがすごいあった」と、体験したことが分かった車いす生活の苦労を語った。

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