高齢ドライバーの逆走防止へ、教習所で“三世代免許”講義

2020/02/27 15:36 Written by Narinari.com編集部

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“高齢ドライバーによる高速道路での逆走”について、自分の家族にも起こりうるとの意識を喚起するべく、「家族みんなで 無くそう逆走」プロジェクトを実施しているNEXCO東日本(東日本高速道路)は、京成ドライビングスクールにて、「NEXCO東日本 家族みんなで 無くそう逆走『三世代免許 特別講義』」を開催した。

この講義は、孫世代にあたる人たちも参加し、近年、社会問題としても取り上げられている“高齢者の運転”をテーマとした特別講義と、高齢者体験装置を身につけてもらう高齢者体験による2部構成で実施。参加者からは「若い世代に高齢者が今、感じていることを実際に体験して欲しい」といった声も上がった。

第一部の特別講義では、高速道路を管理しているNEXCO東日本の交通安全啓発担当者が、「高速道路における逆走の実態」と「家族みんなで 無くそう逆走」プロジェクトについて講義。その中で、高速道路で発生した逆走の統計を用いて、平成30年に全国の高速道路で発生した逆走200件のうち、約7割が65歳以上のドライバーによるものであり、「行き先を間違えたり行き過ぎたりしてしまった」「進行方向を勘違いしてしまった」「自分が高速道路に入った自覚がない」など、その理由が多岐にわたっていることを解説した。

また、NEXCO東日本では高速道路での逆走に対し、路面標示や矢印板の設置や逆走に対しての理解促進広報など、高齢者を含む全世代に向けた防止対策に取り組んでいること、「家族みんなで 無くそう逆走」プロジェクトを平成30年より続けていることを説明した。

第二部では、葛飾区社会福祉協議会の亀川氏が登壇し、高齢者疑似体験を実施。亀川氏は、この体験は高齢になった時の身体的機能の低下や心理的変化を疑似的に体験することで、相手を思いやる・気遣う心・助けてもらったことに対する感謝の気持ちを育むことを目的として実施していること、そして今回の体験を通して高齢者(祖父母世代)について考えるきっかけにして欲しい、との説明があった。

高齢者疑似体験では、サポーターや重りをつけることによって、身体的機能の低下を疑似的に体験してもらうと、参加者から口々に「手足が動かし辛くなる」「身体のバランスが崩れる」「足が上がりにくい」などの声が上がることに。その後の階段昇降やドライビングシミュレータ体験では、「身体が重く感じる」「一歩進むだけで辛い」「アクセル/ブレーキが踏みにくい」「サイドミラーが見づらく危なかった」と、よりリアルな高齢者体験の感想が寄せられた。



☆三世代が集う自動車教習所と考える 交通事故を家族で防ぐためにできること

NEXCO東日本は、今回の特別講義を実施した京成ドライビングスクールとのWEB対談「三世代が集う自動車教習所と考える 交通事故を家族で防ぐためにできること」を、2月26日に公開した。

自動車教習所といえば、免許取得のために若者が通う場所といったイメージがあるが、今や若者だけではなく、高齢者講習など様々な年代の人たちが集う場所になっている。今回は、免許取得だけに留まらず、安全運転研修や高齢者講習など、様々な世代のドライバーに向けた取り組みを行う京成ドライビングスクールとの対談を実施した。

その中で、NEXCO東日本が掲げる「三世代免許」について、京成ドライビングスクールの担当者は「孫に安全運転について語るために自分の運転も見つめ直す良いきっかけになるのではないでしょうか。車のある生活について考えていただき、世代関係なく安全運転についてアドバイスしあうなどできれば理想的だと思っています」とコメント、さらに高齢ドライバー向けに実施している高齢者講習について、「加齢に伴う身体機能の低下が運転に影響を及ぼす可能性があることをご理解いただき、今後の安全運転に役立てていただきたいです」と語っている。



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