「よく噛んで安全運転」逆走防止に“咀嚼”のススメ

2019/10/31 16:45 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


“高齢ドライバーによる高速道路での逆走”について、自分の家族にも起こりうるとの意識を喚起するべく、「家族みんなで 無くそう逆走」プロジェクトを実施しているNEXCO東日本(東日本高速道路)は10月31日、高齢化する社会の問題解決に取り組んでいるロッテとの異業種対談コンテンツを公開した。

今回の対談は、「高齢ドライバーの高速道路での逆走問題をより身近に考えていただくきっかけづくりをしたい」との思いからスタートした企画の第1弾で、テーマは「よく噛んで安全運転へ 脳の活性化につながる咀嚼の効果とは?」。

“咀嚼”、つまり噛むことそのものは一般的に脳の活動を高めるほか、自律神経へ作用することが報告され、医学や科学の進歩とともに、研究から様々な効果や影響があることが分かってきている。今回は車の運転中に「噛むこと」に焦点をあて、高齢ドライバーの高速道路での逆走防止を考える活動の何かヒントになるものがあるのではないか、と対談を実施する運びとなった。

なお、ロッテは「噛むこと研究室」というプロジェクトを立ち上げ、様々な研究機関や企業と連携して“噛むこと”の必要性や、“噛むこと”がもたらす意外なチカラを発信している。

※※※ ※※※ ※※※

運転中にガムなどを“噛むこと”で生まれる影響として、考えられるのが「眠気」と「乗り物酔い」の防止。この対談の中では、その他に考えられる可能性として、「反応速度の向上」や、「注意力を司る脳の活動が高まる」ことが報告されている点も挙がった。

「ガムを噛んだ後に数秒から数十秒の間隔でスクリーンに映し出される矢印の方向を当てるよう指示し、反応時間を計測したところ、ガムを噛むことで反応速度が向上しました。さらに、注意力に関係している脳の活動も高まることが報告されていますので、噛むことが注意力に影響する可能性もあるかと思います」と、ロッテのロッテノベーション本部中央研究所 噛むこと研究部の井内田尊徳さんは語る。

また、高齢者の逆走防止に努めるNEXCO東日本としては、高齢者と噛むことにおける関係性についても気になる要素。その点についてたずねると、「噛む動作は年齢性別に関わらず、脳や自律神経へ作用することが報告されています。高齢者でも可能性はあると考え、今後研究を進めていきたいと思います」と語った。

また、「高速売店でのお土産なんかも、しっかり噛めるものにしたらどうでしょう?」と語る井内田さんは、今後も“噛むこと”における効能を検証し、運転に限らず様々な生活シーンで、噛むことを意識してもらえるよう活動を続けていくと語る。高齢者の安全や健康を考える上で、異なる企業の違った視点から見えてくるソリューションと言える。

NEXCO東日本は、今後も高齢化する社会の問題解決に取り組まれている企業とのWEB対談企画を通じて、ディスカッションから見えてくるヒントを社会に共有し、高齢ドライバーの高速道路における逆走をなくすための啓発プロジェクトを続けていくという。


TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.