2016年11月に公開され、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を含む国内外70以上の賞を獲得した映画「この世界の片隅に」。現在に至るまで公開から1日も途絶えることなく、900日以上も日本全国どこかの劇場で上映が続けられているが、このたび地上波初放送が決定した。NHK総合にて、8月3日(土)21時より放送する。
また、地上波放送の一週間後には、NHKスペシャル「#(ハッシュタグ)あちこちのすずさん〜戦争中の暮らしの記憶〜(仮)」の特集番組の放送も決定。「#(ハッシュタグ)あちこちのすずさん」というキーワードが生まれたのは去年8月、NHK「クローズアップ現代+」にて、「この世界の片隅に」の主人公・すずさんのように、恋やオシャレ、食べ物といった日々のなにげない暮らしを工夫して紡ぎながら、戦時中を懸命に暮らしていた人たちのエピソードがSNSで全国から集ったことがきっかけだった。遠い過去の話だと思われがちな戦争を身近に感じてもらうことで“平和への想い”や“戦争の記憶”を次世代につなげていこうという呼びかけに大きな反響が生まれ、番組には2000を超えるエピソードが寄せられた。
そして今年、より幅広い世代にも想いを届けるためにNHKの様々な番組が連動。10〜20代に人気の「らじらー!」(ラジオ第1)、子育て世代に多く見られている「あさイチ」(総合テレビ)、働き盛りの世代を中心に支持を集める「クローズアップ現代+」(総合テレビ)など、様々な世代に向けた番組で、8月10日のNHKスペシャルの放送に向け「#あちこちのすずさん」の投稿を呼びかけつつ、NHKスペシャル当日は各番組から出演者が集う。こうして、各番組やSNSなどで募ったエピソードを、片渕須直監督の全面バックアップにより、アニメーション制作会社MAPPAがアニメ化する企画も進行している。