クリスマスは過ぎてしまいましたが、メキシコのある女の子が受け取った、心温まる贈り物が話題を呼んでいます。
この女の子はダヤーミちゃん(8歳)。メキシコと米国の国境に面したノガーレという町に住む彼女は、今月初め、妹のシメーナちゃんと共に“クリスマスに欲しいもの”を手紙に書き、北極に住むサンタさんが受け取ってくれることを願って、風船にくくりつけて空に飛ばしました。
その風船は、北極までは届かなかったものの、国境を超え、約30?離れた米アリゾナ州のパダゴニア市まで飛ばされたのです。そして、同市に住むランディ・ハイスさんという男性が、ハイキングの最中にこの風船と手紙を見つけました。手紙には子供らしい筆跡で、スペイン語で何やら書かれています。気になって家に持ち帰り、奥さんに翻訳を手伝ってもらったところ、手紙には「絵の具、お人形、お人形の家……。ダヤーミより」と書かれていることが分かりました。
自分はサンタさんではないけれど、手紙を受け取った以上、この差出人にプレゼントを届けたい。ハイスさんは、どうにかしてダヤーミちゃんを見つけ出せないかと、考えを巡らしました。
風船がそんなに遠くから飛んでくることはないだろうと見当をつけたハイスさんは、この子供はノガーレ近辺に住んでいるに違いない、と推測。しかし、分かっているのは名前だけ。最初は自身のソーシャルメディアにこの手紙のことを載せてみましたが、やっぱり手がかりはつかめません。
そこでハイスさんは、今度はノガーレのラジオ局に連絡を取ってみることにしたのです。ラジオ局は二つ返事で女の子探しに協力してくれることを伝えると、同局のFacebookにこの風船の記事を掲載しました。すると、なんと1時間もしないうちにダヤーミちゃんが見つかったのです。
そして数日後、同局の計らいでハイスさん夫妻とダヤーミちゃん家族が実際に会うことに。ハイスさんはもちろん、ダヤーミちゃん姉妹にプレゼントを抱えきれないぐらい持参しました。ダヤーミちゃんと妹のメシーナちゃんの喜ぶ顔を見て、ハイスさん夫妻も喜びでいっぱいに。
実はハイスさん夫妻は数年前、たった一人の息子さんを亡くしてしまったのです。そのため、子供の喜ぶ顔を間近にみることも、あまり機会がありませんでした。なので、彼らにとっても、今回ダヤーミちゃんらに会えたことは、本当にかけがえのないプレゼントとなったそうです。