人口6人“猫島”青島で猫172頭に不妊・去勢手術

2018/10/11 15:49 Written by Narinari.com編集部

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公益財団法人・どうぶつ基金は10月11日、人口6人の“猫島”青島(愛媛県大洲市)にて、島の猫172頭に無料で一斉不妊・去勢手術をしたと発表した。  

今回の全頭不妊・去勢手術は、“猫の楽園”として世界的に有名になった青島で、島民の高齢化により将来的に世話が難しくなることなどから、無料不妊手術の要請があり実現したもの。

10月2日にどうぶつ基金の獣医師やボランティアら約20人が島に渡り、猫の捕獲を開始。手術は3日午前から同市長浜町青島の市青島コミュニティセンターで行われた。

岩合光昭さんの写真集で有名になった青島は“猫の楽園”と称され、世界中から観光客が殺到。しかし実際は、観光客に気まぐれに与えられるだけのエサにありつけず、痩せ細った負け組の猫たち、飢えて食い殺された子猫の死骸、写真集には決して載らない現実に目を覆うばかりだったという。

そうした中、地元の獣医師会やボランティアによって、メス猫80頭の不妊手術が行われたが、ここでオスとメスのバランスが崩れたことにより、ますます状況は悪化。メス猫はオス猫たちに囲まれゆっくりご飯を食べることもできずガリガリに痩せている子が多く、子猫はもっと悲惨で、オスに殺されたり、母猫の育児拒否により、ほとんどが成長できない状況になっていたそうだ。

そのため、悲惨な現実を知った世界中の観光客や、地元のボランティア達からどうぶつ基金に5年前に救援依頼が届き、地元ボランティア、行政、島民と根気強く調整を続け、ようやく今回の無料での全頭不妊手術が決定したという。

また、どうぶつ基金は、島で猫の世話を続けているという島民の声を紹介している。

「助かります。手術に反対の考えを持っている人も居るけど、本当に大変なんです。このままでは猫たちが可哀想なんです。子猫たち、すぐ死ぬんですよ。オスに噛み殺されてね、頭だけになったり、手足だけバラバラになっていたり。もうそんなの見るのはイヤなんです。メスもね、ご飯を食べることもできないくらい、オスに囲まれて襲われ続けてるんですよ。だから手術をして下さることで、それらが無くなって、ケンカも無くなってくれたら本当にうれしい。70年間生きてきて今日が一番うれしいです。本当にありがとうございました」

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