スティーブン・ホーキング博士が3月14日朝、死去した。76歳だった。著名な物理学者であるホーキング博士は、21歳の時にルー・ゲーリック病とも呼ばれる筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症して余命2年と宣告されて以来、車椅子や合成音声装置で会話する生活を余儀なくされていた。
ホーキング博士は医師から宣告された余命よりもはるかに長く生きたものの、遂にその難病との戦いに終止符が打たれたかたちとなった。
ホーキング博士の家族は、次のような声明を発表している。
「今日愛すべき父が亡くなり、私たちは深い悲しみに暮れています。父は、残した業績や伝説が何十年も語り継がれるような偉大な科学者であり、傑出した人でした。その勇気や粘り強さは、優れた才気やユーモアと共に、世界中の人々を鼓舞していました。父はかつて『もし愛する人たちが住んでいなければ、宇宙なんてたいしたものではない』と言っていたものです」
ブラックホールと相対性理論についての研究で有名なホーキング博士は、様々な科学に関する本を執筆しており、その中の1冊「ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで」では、宇宙の謎について分かりやすく解説し、世界中で1000万部以上を売り上げた。