欧米観光客取り込みへ、日本政府が“イメージ改革”

2018/02/06 20:21 Written by Narinari.com編集部

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国土交通省 観光庁と日本政府観光局(JNTO)は2月6日、都内で「インバウンド促進新キャンペーン発表会」を開催。訪日促進のための「Enjoy my Japan」グローバルキャンペーンを実施し、“イメージ改革”に乗り出すことを明かした。

同キャンペーンは欧州、北米、豪州市場をメインターゲットに、「Enjoy my Japan」というキャンペーンメッセージの下、「富士山」「桜」「寺社仏閣」という外国人にとっての典型的なイメージだけではなく、「豊かな自然」「アウトドアアクティビティ」「食」「伝統芸術&現代アート」といった、これまであまり外国人に知られていなかった日本の魅力をデジタル&テレビ広告などを通じて強力に発信していく。また、キャンペーンウェブサイトでは、サイトを訪れるユーザーの興味・関心に応じて自動組成される「パーソナライズドムービー」(組み合わせは100万通り以上)が視聴できるようになる。

開会の挨拶を行った国土交通省 観光庁長官の田村明比古氏は「昨年は訪日外国人数が2869万人、その消費額が4.4兆円と過去最高を記録しました。5年前と比べてそれぞれ3.4倍、4倍に増加したことになります」と訪日インバウンドの現状に触れつつ、「アジア以外、特に欧州、北米、オセアニアといった各国からの訪日客は初めて300万人を超えましたが、この数字はまだまだ満足できるものではございません。これらの地域には大きな海外旅行市場が存在していますけども、アジアの目的地として日本が選ばれる割合というのはタイや中国と比べてまだ少ない」と課題を述べ、2020年、そして30年へ向け、これらの地域からの訪日客を増加させることが今後の目標達成には必要不可欠であることを強調した。

実際、欧州、北米、オセアニアの海外旅行者数は年間7億人以上いると報告されており、そのうち300万人しか日本に来ていない現状を考えれば、まだまだ伸び代がありそうなもの。もちろん、海外旅行の一般傾向として、どの地域でも近隣諸国からの訪問客が中心を占めており、欧州、北米、オセアニアの人々が遠く離れた日本を目的地として選択するような“流れ”を作り出すことはたやすくないが、せめて同じアジアであるタイや中国並みにはそうした地域からの旅行者を取り込みたいと考えているようだ。

今回のキャンペーンのコンセプトムービー作成には「新・観光立国論」(東洋経済新報社)の著者であり、昨年6月にJNTO特別顧問に就任したデービット・アトキンソン氏も関わっており、同氏も「全世界のアウトバウンドは12億4千万人ぐらいです。世界の中でアジアは25%ぐらいのマーケット。訪日外国人の85%はアジアから来ていますので、要するに(日本にとっては)75%ぐらい世界のマーケットが残っていることになるわけです。ここに大きな伸び代がある」と狙いを説明。これまでアジア向けに展開して成功を収めてきた観光戦略を全世界へと拡大させていくことで、「新たな市場を開拓したい」と意気込んだ。

なお、本イベントには放送プロデューサー&タレントのデーブ・スペクター、女優&歌手のナタリー・エモンズ、キャニオンズ代表取締役のマイク・ハリス氏も出席。「外国人から見た日本の多様な観光魅力」をテーマにトークを行った。

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