「ブラック・スワン」などで知られるダーレン・アロノフスキー監督(48歳)の最新作「マザー!」の出足が苦戦しているようだ。9月15日から海外で公開が始まった同作だが、評価が分かれる結果となっている。
それに対してアロノフスキー監督は、この作品が「日常に起こっている出来事に対する注意喚起」であり、受け入れがたい人がいることも自覚しているため、気に入ってもらえない観客がいても落胆するようなことはないと話している。
「全て順調だよ。人々がこの映画に怒りを覚えようと僕は気にしない。この映画は、僕らの世界に起こっていることに対する反応や警告を描いているからね。難しい問題だよ、だって僕は観客に『現実を見つめろ!そして考えるんだ!』って促しているわけだから。僕も同罪だけどね」
しかし、アロノフスキー監督は、映画製作の知識を持ち合わせていない批評家には不満があるそうで、「それでも僕は映画製作の面で評価を得られないことに関しては理解できないんだ。この映画は全編を通して、肩越し、クローズアップ、主人公の表情という3つの視点から撮影したんだけど、それに対する評価は特にないんだ。僕らがかなり苦労した点なんだけどな。5年前にはできなかったことなんだよ。僕らとチームが長年一緒にやってきたからこそ、一か八かの賭けにでてみたんだ」と語っていた。
また、アロノフスキー監督は、ジェニファー・ローレンスをはじめ、ハビエル・バルデム、エド・ハリス、ミシェル・ファイファーら豪華スターが出演していることが、作品のテーマを軽く捉えられていることにつながっていると認めつつも、エンターテイメント・ウィークリー誌に次のように話している。
「話題になることは間違いないと分かっていたよ。何か挑戦的なことをするといつも、楽しんでくれる人や、そういうジェットコースターに乗りたいと思う人もいれば、『あぁ、これは私の趣味じゃない』って思う人もいるわけさ」
「一風変わった作品だと思うよ。映画にはジェニファー・ローレンス、ハビエル・バルデム、エド・ハリス、ミシェル・ファイファーが出演しているのを見ると、人は一定のタイプの映画を求めるものさ。でも僕らはそういう映画を作らなかったからね」