“証拠写真”の出来悪く狂言誘拐バレる

2016/09/02 15:14 Written by Narinari.com編集部

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中国で先日、ある誘拐事件が注目を集めた。結論から言えばそれは22歳男性の狂言だったのだが、誘拐されたことを示す自作の“証拠写真”の出来が悪く、あっさり警察に見破られたという。

中国メディア・羊城晩報などによると、この一件は8月20日明け方、重慶市大足区で暮らす丁さんのもとに、息子の華さん(22歳)の携帯番号から連絡が入ったことが始まりだった。

丁さんが受け取った電話では、息子は苦しそうに泣き叫んでおり、周囲には別の男たちの声も聞こえていたという。そして、電話の相手の男は丁さんに銀行アカウントを知らせ、息子が半裸で縛られている写真も送りつけてきた。

丁さんは驚き、すぐに警察に通報。警察は息子の捜索を開始するとともに、丁さんには引き続き“誘拐犯”とコンタクトを取り続けるよう指示も出した。

すると8月21日午後、丁さんのもとに再び“誘拐犯”から連絡が入る。相手は「もしすぐにでも身代金を支払わないのであれば、息子の指を切り落とすからな!」と脅しをかけてきた。丁さんが対応に困っていると、息子が床に倒れ、指から出血している“おそましい写真”がSNSに届いたのだ。息子の近くには血のついた中華包丁も転がっていた。

そのときの丁さんの驚きは想像に難くないが、警察の対応は違った。なぜなら問題の写真には奇妙な点がいくつか見受けられたからだ。血液の色、切断された指の形状、息子の表情など、虐待を受けたにしては不可解な点が多く、警察はこの写真を「偽物」と判断。事件には狂言誘拐の疑いが浮上した。

その後捜査はさらに進み、息子が実は福建省福州市におらず(母親の丁さんにはそう伝えていた)、別の場所にいることが判明する。息子はネットで知り合った彼女の玲さんの誘いで同地を訪問中で、ふたりでマルチ商法団体が主催した会に参加していたそうだ。息子はマルチ商法の話を聞いているうちに「自分も参加したい」「成功したい」と考えるようになり、マルチ商法に必要な資金を得るために、彼女とともに狂言誘拐を画策したのだという。

ちなみに、“誘拐電話”の前には「大病を患った」としてやはり息子と彼女から丁さんに連絡が入ったそう。そのときも息子は「高額な治療費が支払えない」として丁さんに金を振り込んでくれるようお願いしてきたそうだが、丁さんには経済的余裕がなく、「お金が用意できない」と思い悩んだそうだ。そして今回の“誘拐電話”が入ったのはその翌日の出来事だったという。

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