愛車と門に挟まれ事故死した俳優、他界1週間後にリコール通知届く。

2016/08/04 09:19 Written by Narinari.com編集部

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「スター・トレック」シリーズなどに出演した俳優のアントン・イェルチンは、他界から1週間後に、事故の原因となった愛車ジープに対するリコール通知を受け取っていたことが明らかになった。

今年6月、自身の所有する2015年製ジープ・グランドチェロキーと自宅の門に挟まれ、帰らぬ人となったアントンの両親が、そのジープの製造元であるフィアット・クライスラー社に対し不法死亡訴訟を起こしているが、両親の弁護を務めるゲイリー・ドーディック氏はその遅すぎた通知について「アントンは何かを取りに家に戻ったようです。事故当時は車を離れ、パーキングになっていると思って出ていったところだったのです」「安全のためのリコールはあまりにもわずかな措置であり、あまりにも遅すぎました。あの装置は一切使われるべきではなかったのです」とコメントした。

フィアット・クライスラー社は、ギアの入っている位置が分かりにくいギアデザインになっており、運転者がパーキングになっていると思ってニュートラルにしたまま車を離れることがあるという報告が今年になって出されたことで、自主回収措置を取っていた。

今回アントンの両親は、自分たちと同じような悲劇を他の家族に味わって欲しくないとして、フィアット・クライスラー社を訴えることに決めたと明かしている。両親は「信じられないような悲しみの中、私たちは他の家族が同じ悲劇を経験することを阻止するためにこの決断に達しました。アントンは私たちの1人息子でした。素晴らしい人間だったんです。自分の子供を親が埋葬しなければいけないのは自然の摂理に逆らっています」「あの子はスターであることを気にしたこともない子でした。人生を謳歌していたんです。あの子の死は他の人の命を救うことになるのです」と語っている。

一方でフィアット・クライスラー社は8月2日、「FCA US LLCはイェルチン家の皆様に悲劇的な損失に対して心よりお見舞い申し上げます。弊社は訴訟に介入しておりませんので、現在のところこれ以上のコメントはできません」「FCA USはお客様方に取扱説明書とリコール通知と共に送付された情報カードに従うよう強く求めます。この説明書には車を離れる前にハンドブレーキを掛けることなどお客様へのアドバイスが書かれています」とコメントを発表している。

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