6月16日に正式オープンした上海ディズニーリゾート。プレオープン時には大小さまざまなトラブルが報じられ、一部では正式オープンを危惧する声も聞かれていたが、フタを開けてみれば初日は大きなトラブルはなかった。しかし、そうは言っても“中国らしい”トラブルが散見されたのも事実。まとめて紹介したい。
初日は通常と異なり、昼12時にオープンしたのだが、オープン前に並ぶ人々に対応するため、入り口近くの広大な空き地が「ウェイティングゾーン」に指定されていた。「ウェイティングゾーン」は1〜5のゾーンに分けられていたが、まずここで小さなトラブルを目撃。フェンスで囲われたぞれぞれのゾーンは基本入場ができるまで外へ出られないため、「子どもがトイレに行きたがっている」などとスタッフに噛み付く人が見られた。フェンス近くの警備員は「もう少し辛抱してください。すぐですから」となだめていたが、「子どもなんだから我慢できないでしょ。フェンスを開けてくれ!」と最後には怒鳴り声が飛び交う始末。結局、強引に列を突破し、トイレに駆け込ませていた。
続いて見られたトラブルが、ゾーンごとに入場をしているとき。大勢の人が一気に入り口へ向かうため、途中の道が一時封鎖に。すると、封鎖された道を横切りたいのか、ひとりの男性が警備員に怒鳴り声で文句を言い、4人の警備員に制止されていた。
パークのシンボルである「エンチャンテッド・ストーリーブック・キャッスル」はディズニー史上最大のお城。その中には「ロイヤル・バンケット・ホール」という、ディズニー作品に登場するプリンセスをテーマに作られた豪華なレストランがあるが、初日だけは予約を受け付けておらず(基本は予約制のレストラン)並ぶことに。するとドアでスタッフと揉めているベビーカーを引いた女性を発見。
理由は定かではないものの、スタッフの対応に不満だったようで、大柄な男性スタッフを小突くほどの男気を見せていた。結局、しばらく揉めた後に入店できることになり、捨て台詞を放っていた。
14時半、17時半の計2回行われたディズニーお馴染みのパレードでは、スタッフが必死にロープ内に入らないよう注意していたが、無視する人が続出。さすがにパレードが始まってから横断する人は見かけなかったものの、始まる前は平気で横断する人がちらほら見られた。“ちらほら”で済んだのは、さすがディズニーの管理力と言えるかもしれない。
ファストパス発券機では「ひとり1アトラクション」という決まりであるにも関わらず、何度も何度も別のアトラクションのファストパスを発券しようと奮闘する人たちの姿も。スタッフが声をかけ、できないことを知らされてその場を去る姿は何となく物悲し気であった。
そして、プレオープン時に話題になった、トイレのハンドドライヤーで足を乾かす人がいたという一件。気になったのでトイレを確認したところ、ハンドドライヤーはダイソン製であった。ただ、実際に現物を見てみると、このハンドドライヤーは出っ張りがあり、足を入れるには少々無理がある。にも関わらず足を入れた“ツワモノ”たちはやはりすごいとしか言いようがない。よほど足が濡れているのが嫌だったのであろうか。
最後に上海ディズニーの名誉のために言わせてもらうと、正直、想像していたようなトラブルにはそれほど遭遇しなかった。初日ということもあり、スタッフの気合いが入っていたせいもあるかもしれないが、問題はこの状況がどれだけ長く保てるかということ。より多くの人が訪れることになるであろう今週末こそが、上海ディズニーにとって最初の“試練”となるかもしれない。