2015年最も売れた本は「火花」、又吉「本もお笑いもちゃんとやる」。

2015/11/30 04:00 Written by Narinari.com編集部

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オリコンは11月30日、ウェブ通販を含む全国書店3,517店舗からの売上データをもとに集計した「オリコン2015年年間“本”ランキング」の各部門(集計期間:2014年11月17日〜2015年11月22日)を発表した。総合部門にあたるBOOK部門の年間1位は、お笑い芸人・ピースの又吉直樹が執筆した本格小説デビュー作で、第153回芥川賞も受賞した「火花」(文藝春秋/今年3月発売)が獲得。期間内売上は同部門では歴代最高の223.3万部を記録した。

2008年より発表開始の年間ランキングにおいて、売上部数200万部突破でのBOOK部門1位獲得は初めて。かつデビュー作での同部門制覇も初となっている。

無類の“本好き”として知られていた又吉が本格小説デビューを飾り、駆け出し芸人の視点を通して「笑いとは何か、人間とは何か」を描いた同作は、文芸誌「文學界」今年2月号(文藝春秋)で発表されるとともに一躍話題となり、その後の快進撃は文学界に新風を巻き起こすのみならず、社会現象とも報じられた。

発売開始以来、週間ランキングでもBOOK部門登場作品歴代最高となる通算13回の1位獲得を記録、さらに同じく歴代最高の8週連続1位(2015年7月27日付け〜9月14日付け)を記録するなど、その勢いは天井知らずで、ついには、同部門登場作品としては“歴代最高”となる売上部数を叩きだしての年間1位獲得を達成した。

なお、又吉は同部門の作家別売上ランキングでも1位に。また同作は、文芸・小説部門の1位も獲得している。

今回の結果について又吉は「『火花』は“本好きのコアな人だけに”とか、その反対で“普段本を読まない人に”とかそういうことを考えず迷いなく書いた作品です。だから、多くの方に読んでいただけたことが何よりも嬉しいです。音楽、映画、TV、劇場、お笑い……世の中には“面白いもの”がいっぱいあります。いろんな“面白いこと”の選択肢から、本を手に取って読んでもらうってことがいかに難しいか……。そういう状況を踏まえて、今後も書いていきたいです。何人かの、本を買ってくれる読者の取り合いをするんじゃなくて、読書以外の“面白いこと”に対抗できる作品をつくっていくのが必要なんやろな、というふうに思います。本もお笑いも、これからも両方ちゃんとやっていこうと思っています」とコメントを寄せている。

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