スタバ&ハーゲンダッツの月餅、嗜好の変化に対応した魅力的な逸品。

2015/10/11 10:11 Written by Narinari.com編集部

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毎年中秋節が近づくと、中華圏では熱い“月餅商戦”が繰り広げられる。月餅はその名の通り、月に見立てたまん丸のお菓子で、小麦粉の皮で餡を包み、中に餡とアヒルの卵の塩漬けや、クルミや松の実などのナッツ類を入れたりしたものだ。最近は若者の嗜好や食文化などの変化を受け、より大衆受けする月餅が次々と開発・販売されている。

今年は9月27日に中秋節を迎え、それに向けて“月餅商戦”も盛り上がりを見せていたが、この商戦で近年人気を得ているのが、米スターバックスとハーゲンダッツが販売している月餅だ。どちらもオシャレなデザイン、若者が食べやすい味付けにこだわっており、その値段の高さもあいまってちょっとしたブランドと化している。

先日、ナリナリドットコム編集部もこのスターバックスとハーゲンダッツの月餅を入手し、味わうことができた。

◎伝統の中に光るスターバックスらしさ

まず、スターバックスの月餅から。今年のスターバックスが発売した月餅(毎年セット内容やフレーバーが若干異なる)は全部で3セット(6個入り/8個入り/10個入り)で、値段はそれぞれ328元(約6,200円)、428元(約8,100円)、598元(約11,300円)。フレーバーはヘーゼルナッツラテ、ブルーベリーチーズ、桂花クランベリー、キャラメルマキアート、ライチ、オレンジハニーティー、南アメリカ風コーヒーヘーゼルナッツの7種類で、セットによって入っているフレーバーが異なるため、全種類食べようとすると高くつくのが悩みどころだ(※これは後述するハーゲンダッツも同様)。

今回試食したのは、328元のセットに入っていたヘーゼルナッツラテ、ブルーベリーチーズ、桂花クランベリーの3種で、特徴は何と言っても珍しいフレーバーの餡だろう。中国のスーパーなどで売られている月餅の餡はかなり大味で、日本人には少々きつくて食べにくい印象を受けるが、スターバックスのフレーバー餡ならば、洋菓子を食べているような感覚でひとりで1個ペロッとと食べられてしまう。餡の中にブルーベリーやクランベリーの果肉が入っている本格的なもので、個人的にはヘーゼルナッツラテの濃厚なコーヒーの香りを漂わせる月餅が、ほのかな苦味と甘さのバランスが絶妙で気に入った。


◎月餅というより“アイス”のハーゲンダッツ

ハーゲンダッツの月餅は“アイス月餅”に分類されるもので、「アイスで作った月餅」となる。今年は全7セット(5個〜9個入り)が用意され、値段は248元〜868元(約4,700〜約16,400円)。ハーゲンダッツの月餅は、素材やフレーバーの種類が豊富、また、個数や種類が多いセットが必ずしも高い値段に設定されているわけではないので、購入前によく考えるほうが賢明だ。

今回試食したのは、もっともオーソドックスなものと思われる5個入り「petite collection」。バニラ、マンゴー、ストロベリー、チョコレートの4つのフレーバーが楽しめる(チョコフレーバーのみ2個入り)。月餅の皮にあたる部分は濃厚でパリッとした歯ごたえのミルクチョコレートで作られており、餡はもちろんハーゲンダッツのアイスだ。どのフレーバーのアイスも“きちんとハーゲンダッツ”しており、普通に店頭で食べられるアイスと比べて何ら遜色はない。ミルクチョコレートの“皮”に包まれている分、こちらのほうが人によっては好みかもしれない。大きさはスターバックスのものとほぼ同じで、1個食べれば十分な量だ。

他のセットにはヨーグルトアイス、抹茶、ブルーベリー、マカデミアナッツなどのさまざまなフレーバー、クリスピータイプの月餅までもが用意されている。好みに合わせて幅広い選択ができるのがハーゲンダッツの月餅の強みだろう。


◎食べ比べてみて

スターバックスとハーゲンダッツの月餅を食べ比べてみた感想を述べると、味に関しては甲乙つけがたい印象。というのも、スターバックスの月餅は伝統的な月餅でありながらフレーバーに凝ったものであり、もう一方のハーゲンダッツのものは月餅というよりも「月餅に似せて作ったアイス」ととらえるほうが適切な、言ってしまえば別モノだからだ。月餅を食べたいか、アイスを食べたいかで選択は異なるに違いない。

値段は最も安いセットがスターバックスが328元(6個入り)、ハーゲンダッツが248元(5個入り)とスターバックスのほうが高いが、1個あたりの単価で比べるとほぼ同じだ。ただ、ハーゲンダッツの月餅はアイスであり、家族や友人、取引先などに贈る場合は引換券での“手渡し”になるのが通常で、中国から日本に持ち帰ることも難しい。その点スターバックスの月餅は手荷物として日本に持ち帰ることも可能なので(※郵送の場合は使用されている材料などの問題から税関で止められる可能性もある)、日本人にとっては便利だろう。

今年の販売時期は終わってしまったが、毎年趣向を凝らした月餅を投入する両チェーン。来年、この時期に中国に行く機会があれば、購入を検討してみてはいかがだろうか。

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