キムタク&三池監督が初タッグ、“死なない侍”で世界マーケット視野。

2015/10/05 09:48 Written by Narinari.com編集部

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SMAPの木村拓哉(42歳)が、三池崇史監督(55歳)とのタッグにより、人気コミック「無限の住人(むげんのじゅうにん)」(作:沙村広明)の映画化に挑むことが決定した。

本作は1993年から2012年に「月刊アフタヌーン」(講談社)で連載され、その圧倒的な画力と斬新な殺陣描写により“時代劇”というジャンルを超え、一躍剣客アクションコミックとして話題を呼んだ作品。単行本(全30巻)の累計発行部数は約500万部を記録している。

舞台は江戸時代の日本だが、奇抜な衣装を身にまとう登場人物や独創的な武器が多数登場する独特の世界観、また、一番の特徴である主人公・万次が不老不死の肉体を持つという点から、実写映画化の企画は何度となく持ち上がるも、全30巻の原作を映像化することは至難を極め、なかなか実現には至らなかった。

しかし、小岩井宏悦プロデューサーは、今回映画化が決定したのは、木村の存在が大きいと語る。

「“死なない侍”という存在が数十年もトップの俳優として色あせない彼の存在感と重なり、アクションを具現化する身体能力、色気、この作品が持つ哲学を支えることができる人間力など、確かに彼しかいない」

物語は、剣客集団・逸刀流(いっとうりゅう)に両親を殺され、実家の剣術道場を潰された少女・浅野凜(あさのりん)が仇討ちを遂げるため、不老不死の肉体を持つ男・万次に用心棒を依頼。依頼を受けた万次は、凜と共に逸刀流との戦いに身を投じることになる。

木村にとっては、時代劇映画としては2006年に公開され興行収入41億円を記録した「武士の一分」(山田洋次監督)以来約10年ぶりの主演作。原作について木村は「好きな世界観。万次を『死ねない』と考えるか、『不死身』ととるかは一線上にあると思う」と作品のテーマに触れ、今回演じる万次については「今の社会では想像できないものすごい“痛み”を背負っているキャラクターなので、思いきりと、バランスの取り方をうまくやらないと、観てくださる方に納得してもらえない」と語った。

また、「自分の“個”はあるが、現場では監督の求める“素材のひとつ”。共演者、スタッフと集中して現場に臨みたい」と、初タッグとなる三池監督へ大きな信頼を寄せている。

本作が初タッグとなる木村について、三池監督は「昭和と平成を串刺しにするスーパースター・木村拓哉を用心棒につけた我ら映画界の逸刀流・三池組は世界最強」とコメント。原作になぞらえ、木村には大きな期待を寄せている。

映画「無限の住人」は2017年、超拡大全国ロードショー。


☆木村拓哉コメント

今回参加するにあたって三池崇史さんという存在が大きかったですし、映画監督が映画を撮りたいという前提で自分を欲してくれたということが一番大きかったです。映画監督に求められるというのは役者にとって最もありがたいことなので、「三池崇史監督が僕のことを要してくださった」という事実に、自分の中でなんかざわめいた、という気持ちがありました。

原作は、僕自身、好きな世界観ですし、万次を「死ねない」と考えるか、「不死身」ととるかは一線上にあるものだと思います。原作にある「死なない」ことと「死ねない」ということの向き合いについては、今回の脚本にも描かれているので、そこをどう体現するのか、監督が求めるものがどこなのか、頭でっかちにならずに現場を体感しながら演じたいと思います。

監督もプロデューサーも目線の先に海外を意識しているなと感じましたし、僕自身もヨーロッパはじめ海外の方々にも観ていただけたらと思っていますが、まずはしっかり演じることだと思っています。あとは、三池監督がアクションにしてもドラマにしても、三池監督のエンターテイメントにしてくれるので、もちろん自分の“個”はありますけど、現場では監督の求める“素材のひとつ”だと思うので、共演者、スタッフと集中して現場に臨みたいと思います。


☆三池崇史監督コメント  

昭和と平成を串刺しにするスーパースター・木村拓哉を用心棒(主人公の万次)につけた我ら映画界の逸刀流・三池組は世界最強である。これはそういう映画です。


☆沙村広明(原作者)コメント

原作は22年前に始まった自分の処女連載作品なので、いま読み返せば至らぬ点が山のようにありますが、映画がそれらをフォローし、かつ映画ならではの醍醐味を様々に付加していただければ幸いです。大好きな監督さんと日本最高峰の主演、才能ある様々なキャストとスタッフの力を借り、『無限の住人』に再び命が吹き込まれるのを心から楽しみにしています。


☆小岩井宏悦プロデューサーコメント

世界22か国を熱狂させた、このカリスマコミックを映像化するという無謀なチャレンジを現実にできる監督は三池監督しかおらず、三池監督が面白がってくれたところから、すべてが始まりました。死なない侍のアクション、壮絶なまでのドラマ、多彩なキャラクター、映像化の困難さは最高レベルです。監督から、木村拓哉くんの名前が出た時に、確かに「死なない侍」という存在が数十年もトップの俳優として色あせない彼の存在感と重なり、アクションを具現化する身体能力、色気、この作品が持つ哲学を支えることができる人間力など、確かに彼しかいない、と目からうろこでした。

昔、テレビドラマ『ラブ・ジェネレーション』を一緒にやってますから話してみます、と監督には言ってみたものの、この徹底的に傷つく壮絶なキャラクターを引き受けてもらえるか、恐る恐る提案したところ現実になりました。このリリースが世の中に出るまで、信じないようにしています(笑)。

これまで、WBの邦画は国内マーケットを中心にして来ましたが、このコミックを原作として三池監督が撮れば海外映画祭で華々しいきっかけを作り、世界マーケットを目指すという次のステップに行くことができると信じています。脳内映像では、すでに監督タカシ・ミイケが、俳優タクヤ・キムラを連れてレッドカーペットを歩いています。

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