墓石建てない埋葬の“その後”、故人の意志で行うも遺族4割に寂しさ。

2015/09/07 11:52 Written by Narinari.com編集部

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まごころ価格ドットコムが運営するお墓ネット専門店「お墓まごころ価格.Com」は、墓石を建立しない埋葬の経験者を対象に、“その後”の心境について調査を実施した。

近年、「終活」の一環で生前にお墓を建てる人が増える一方、管理のままならないお墓が無縁化し放置される「無縁墓」が社会問題となるなど、お墓を巡る様々な話題がメディアを賑わせている。そうした中で、散骨や樹木葬、共同墓など新タイプの埋葬にも注目を浴びているが、実際にそれらの埋葬方式を選んだ人たちが埋葬後にどう感じ、今何を思うのか、その点に触れた報道はあまり見られないのが現状だ。

そこで同社は新タイプの埋葬について、“その後”の心境、悩みなどを探るべくアンケート調査を実施した。

経験者200人(20〜70代の男女)への調査では、まず、新タイプ埋葬を行うことになった「きっかけ」を質問。すると、39.5%が「故人の遺志」と回答した。しかし、故人の遺志で新タイプ埋葬を行った遺族の41.7%が、その結果「お墓という形に残らない寂しさ」を感じていることも判明。故人の遺志を尊重したものの、お墓がないことに心寂しさを感じてしまうという、故人と遺族の“思いのすれ違い”がうかがえる。

ちなみに、同社が2014年8月に実施した終活に関する意識調査では、終活に関心があるシニア世代の59.9%が「独りで」終活をしていると回答した一方で、子世代の62.7%は終活をしていたら「話して欲しい」と回答。独りで終活するシニアと、相談してほしい子世代の“すれ違い”が見られていた。これらの結果から、埋葬方法は自分だけで決定するのではなく、家族とよく話し合い、お互いの思いを聞き入れながら行うほうがよいと言えそうだ。

次に、「将来、あなたの大切な人がもし亡くなった場合に、あなたはどのような遺骨供養を行うか」を、新タイプ埋葬の経験者に質問。その結果は41.0%が「従来の墓石のお墓」を選択し、圧倒的に多い回答となった(2位は共同墓13.5%、3位は散骨7.0%)。具体的には「形として残したほうが良いと思うから」「やはり墓参りの度に、その人の事を思い出したいから」「将来に渡り、絆を大切に出来る」などの声が寄せられている。

逆に「新タイプの遺骨供養の良かった点」をたずねたところ、最も多い回答を集めたものは「お墓参りに行きやすい」(30.0%)で、以下「管理の手間が少なくなった」(29.5%)、「継ぐ人を気にしなくてもいい」(21.0%)が続いた。“お墓の管理維持”に関してメリットがあると感じている人が多いことがわかる。

しかし一方で、20.0%の人が「全くメリットを感じていない」とも。新タイプ埋葬を行った“その後”には「実は困っている」こともあるようで、「感情移入がしにくい」などの心理的悩みや、「管理費が上がってきている」などの金銭的悩みを抱えている人がいるようだ。

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