志田未来が初舞台で2人芝居挑戦、密室の“セクハラ事件”描いた名作。

2015/06/11 10:10 Written by Narinari.com編集部

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女優の志田未来が今年11月、PARCO劇場で上演される舞台「オレアナ」で初舞台を踏むことが決定した。俳優の田中哲司との2人芝居に挑戦する。

「オレアナ」は、「アメリカン・バッファロー」(1975年 オビー賞受賞)、「ライフ・イン・ザ・シアター」(1979年)、「グレンギャリー・グレン・ロス」(1984年 ピューリッツァー賞受賞)、「エドモンド」(1985年)、映画「郵便配達は二度ベルを鳴らす」などで知られる米演劇界の鬼才、デビッド・マメットが1992年に発表した作品。オフ・ブロードウェイのオーヒューム・シアタ―で1年以上のロングラン上演を記録した後、すぐさま全米四都市で上演され、米国中を議論の渦に巻き込んだ問題作だ。

クライマックス・シーンで思わず「ブラボー」と拍手する者、ブーイングして席を立つ者……観客を騒然とさせた本作は、新聞の社会面を始め、マスコミがこぞって取り上げる程の話題となり、その年、海を越えて飛び火し、世界中で上演された。ロンドンではマメットの朋友ハロルド・ピンターが演出、パリではキャロル役をシャルロット・ゲ―ンズブールが演ずるなど、世界中で注目のキャスト&スタッフにより、現在も上演され続けている。

日本ではパルコ劇場にて、1994年酒井洋子訳、西川信廣演出、長塚京三×若村真由美の出演で上演、セクシャル・ハラスメントの問題定義もはらんだ問題作と評価され、その年の「読売演劇大賞・優秀作品賞」を受賞。1999年には、長塚京三×永作博美の出演で再演された。

パルコ劇場の翻訳作品群の中でもエポックメイキング的なこの名作を、今回は栗山民也を演出に迎え、小田島恒志の新翻訳で装いも新たに16年ぶりに上演。大学教授と女子大生。二人だけの研究室で、何が起こったのか?――“セクハラ事件”が描かれる本作の大学教授役に田中、女子大生役に志田が決定した。

田中は「『オレアナ』の上演にあたっては、楽しみな気持ちと不安が入り混じった複雑な心境です。11月はまだ先のようで、実は時間がないですから。志田未来ちゃんとは映像で何度か一緒に仕事をしていて、とても信頼を寄せています。稽古場でも舞台上でも助けてくれそうです(笑)。そんな信頼のできるパートナーと芝居を作っていくのが楽しみです。演出の栗山さんとは、今回初めてご一緒します。すごく緻密な芝居を作る印象があって、その世界に浸ってみたいです」とコメント。

一方の志田は「舞台は、いつかやりたい、やらなくてはと思っていました。このお話を頂いた今が「その時」なんだと思います。舞台のことは、正直、何もわかりませんが、楽しみたい気持ちでいっぱいです。田中さんとは、ドラマでご一緒させていただきましたが、不思議なオーラのある方だと思います。そんな素晴らしい大先輩から一緒にいいものを創ろうと言っていただいたので、一生懸命頑張ります」と意気込みを語っている。


☆「オレアナ」ストーリー

大学教授のジョンは、大学教職者なら誰しも憧れの終身在職の権利に手が届くところまで来ており、安定した晩年の設計図、新居の契約のことで頭がいっぱいだ。その彼の研究室に教授の授業についていけない、講義=教授の言葉や内容が理解できないという一人の女子学生、キャロルが現れ、それでも試験にパスしなければならないと懇願する。

ジョンはキャロルと会話を続けながらも新居の契約のことで度々鳴る電話に出たり、半分上の空。しかし紳士的にキャロルの相談に乗るような態度を取っているうち、最初は自分が「分かっている」ことを学生に「分からせる」立場である教授のほうにあったはずの、その会話の優位性は、言葉を尽くせば尽くすほど、いつしか女子学生のほうに移っていく。そしてついには、キャロルがジョンとの一連のやりとりをセクシャル・ハラスメントとして大学当局に訴え、さらにそれを、事実としては起きていないレイプ事件にまで問題を発展させる。

前途洋々だったはずの教授の未来は、たった一人の女子学生とのディスコミュニケーションによって、打ち壊されていく…。

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