“玉の輿”の相手は同性だった、3年間同居も結婚詐欺師と気付かず。

2015/05/20 18:50 Written by Narinari.com編集部

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ありとあらゆる手口を使い、結婚願望の強い人を騙す結婚詐欺。中国ではこのたび、“大金持ち”と知り合い、喜び勇んで“結婚”した女性がまんまと詐欺に引っかかる事件が報じられたが、その相手は同性で、3年間気付かずに生活を共にしていたという。

中国メディア広州日報などによると、この一件は2012年、安徽省出身の張さんが出稼ぎ先の上海の工場で、高某と名乗る“男性”と知り合ったことに始まる。高は張さんを遊びに連れて行く際は大変気前がよく、いろいろとご馳走してくれただけでなく、自分が北京の大企業の経営者の息子であると吹聴していた。また、ときにはその“大金持ち”の両親と張さんを電話でつなぐことで、張さんはますます高の話を信じて疑わなくなったそうだ。

ふたりの仲が親密になると、張さんは安徽省の実家に高を招待。張さんの両親も高がお金持ちの家庭の息子であることを知って大喜びし、“親公認”の付き合いに発展する。そして、2013年にふたりはついに結婚を決意。婚姻手続きのために結婚登記所に向かうことにした。

今となっては後の祭りだが、このとき張さんが高の“不審な点”に気付いていれば、その後の悲劇を免れることができたのかもしれない。

高は結婚登記所に着くと大勢の人が並んでいる様子を見て「並ぶのが面倒くさい」と主張。「自分には民政局に知り合いがいる。その人に頼んで手続きをしてもらい、結婚証明書を発行してもらおう」と言い、実際、ふたりの結婚証明書はまもなくして発行されたそうだ。

もちろん、この結婚証明書はあらかじめ高が用意していた偽物。しかし、張さんはそんなことを知る由もなく、「これで夫婦になれた」と喜んだ。何はともあれ、ふたりの新婚生活はスタートした。

結婚後も高の生活は贅沢極まりなく、“大金持ち”らしい振る舞いを随所に見せる。張さんの弟に「家を買ってあげよう」と言い出し、張さんの両親を連れて物件回りをし、その数日後には張さんの弟の名前が記された高級住宅の不動産証明書をくれたそうだ。このとき、張さんや家族がどれほど感動したのかは想像に難くないが、この“感動的な出来事”は親戚中をまたたく間にかけめぐり、張さんが素晴らしい相手を見つけて結婚し、張さん家族は幸せの絶頂にあるとまで言われるようになったという。

しかし、ここからが高の本領発揮。張さんの家族、親戚の間で自分の信頼が高まったことを見極めると、高はさまざまな“おいしい”儲け話を親戚中に持ちかける。同時に、親戚同士で話が漏れることを防ぐために「あなただけ特別に」と忠告し、張さんの叔父や叔母などから合計数十万元(10万元は約193万円)のお金を騙し取ったのだ。高が用意周到なのは、ときには投資金に利益を乗せてきちんと返却していたこと。そのため、親戚はますます深みにはまり、さらなる大金を投資してしまった。

ただ、そうは言ってもいずれはボロが出る。ある日、張さんの親戚が集まったさいに「高さんは大変なお金持ちなのに、なぜお金を必要とするのだろう?」と誰からともなく疑問の声が上がり、そこで親戚中が高からお金を要求されていた事実が明るみになる。そして、不審に思った張さんの家族が、張さんの弟に手渡された不動産証明書を調べたところ、偽物であることが発覚。高のウソはばれ、ついに逮捕されることになった。

しかし、この高の詐欺行為が明るみになった後、張さんをさらなる衝撃が襲うことになる。それは高は男性ではなく、女性であったという事実。高はもともと中性的な顔つきで背も高く、声も男性的であったそうだが、隠し通せるはずがない肝心の体つきについては、張さんに「過去に珍しい病気を患い、海外で手術をしないといけない」などと、ウソをつき通していたそうだ。

最終的に高には懲役10年6か月、罰金30万元の刑が下されたが、自分だけでなく、家族や親戚までをも災難に巻き込んでしまった張さんの苦しみは、きっと大変なものに違いない。

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